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Q 36協定を未提出の場合の固定残業代の取扱いは?

2019年10月1日

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【質問】

 

当社では、毎年4月1日を起算日とする36協定を届出しているんですが、社屋の移転等があり、うっかり本年度の36協定を届出するのを忘れていました。

 

ところで、当社では、営業社員に対して固定残業代として営業手当を支給しています。

 

36協定を未届けでの状態で時間外労働をさせた場合には、違法行為となってしまいます。

 

となると、一定時間の時間外労働を前提に支払われる営業手当(固定残業代)も無効となってしまうのでしょうか?

 

 

【回答】

 

36協定を届出しないで時間外労働をさせた場合には、違法行為となりますが、時間外割増賃金の支払いの義務は免れませんので、固定残業代の効力も認められることとなります。

 

 

【解説】

 

労働基準法では、法定労働時間を超えて又は法定休日に労働させる場合には、時間外労働及び休日労働に関する協定届(通称、36協定)を事業場を管轄する労働基準監督署に届出することを要しています。

 

つまり、時間外労働や休日労働を命じる権利は、会社に当然に与えられた権利ではなく、36協定を届出て初めて認められることとなります。

 

従って、36協定を届出せずに、労働者に法定労働時間を超えて又は法定休日に労働させた場合には労働基準法違反となります。

 

 

また、労働基準法第37条では、法定労働時間を超えて又は法定休日に労働させた場合には、一定率以上の割増賃金の支払いを規定しています。

 

ところで、固定残業制度とは、割増賃金を定額で支払う制度ですが、固定残業代の額が、実際の時間外労働時間により割増賃金額を上回っている又は不足が生じた場合には、その不足額を支払っている限り違法とはされていません。

 

 

さて、今回のご質問を考える場合には、36協定の届出と割増賃金との関係を先に考えるとわかりやすいと言えます。

 

ご質問の中にもあるように、36協定が未届出の状態で労働者に法定労働時間を超えて労働させた場合には、違法な時間外労働を行わせたことになり、労働基準法違反となります。

 

しかし、行政解釈や判例では、たとえ違法な時間外労働であったとしても割増賃金の支払いは免れないとされています。

 

従って、割増賃金の支払い義務がある以上、固定残業代の支払いは効力が認められることとなります。

 

 

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【ここがポイント】

 

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ところで、今回のご質問にある固定残業制度ですが、固定残業代制度自体が即違法ではありませんが、適法となるにはいくつか要件を満たしている必要があります。

 

逆にその要件を満たしていない場合には、違法となってしまうので注意が必要です。

 

 

では、固定残業が適法と認められるための要件ですが、まず、先にも書きましたが固定残業代が、実際の時間外労働時間により割増賃金額を上回っている又は不足が生じた場合には、その不足額を支払う必要があります。

 


そして、固定残業代が基本給に含まれている場合には固定残業代がいくらなのか、また何らかの手当で支給されている場合には、その手当てが固定残業代である旨が就業規則に明記されている必要があります。

 

この明記は非常に重要で、裁判等でも就業規則で明記されていない固定残業代は、まず違法とされますので、固定残業制度を行っている場合には、必ず就業規則に明記するようにして下さい。

 

 

そして、例えば、30時間分の時間外労働に相当する固定残業代を支払っている場合で、実際の時間外労働時間が30時間に満たない場合であっても、予め決められた額を支給する必要があります。

 

固定残業制度が、適法となるにはこのような要件を満たしている必要があります。

 


固定残業制度の怖いところは、もし、適法と認められなかった場合には、割増賃金が1円も支払われていないこととなり、多額の割増賃金の不払いが発生してしまいます。

 

昨今、固定残業制度について取扱いが以前より厳しくなってきているので、固定残業制度を導入する場合には、行政官庁又は専門家へご相談することをお勧めします。

 

 

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