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Q 通勤手当を定期券で支給するのは違法でしょうか?

2019年9月6日

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【質問】

 

当社では、給料計算の効率化を図る一環として、通勤手当を定期券で支給しています。

 

先日、ある従業員から「労働基準法で、給料は通貨で支給しなければならないと定められているので、通勤手当を定期券で支給するのは違法行為である。」と言ってきました。

 

本当に通勤手当を定期券で支給することは違法なのでしょうか?

 

仮に定期券代を給料で支給しても、従業員がそれで定期券を購入すれば、結果的には同じこととなると思うのですが。

 

 

【回答】

 

ご質問の中にもありますように、労働基準法では給料は通貨で支給しなければならないと定められています。

 

ただし、労働協約による別段の定めがある場合には、例外的に現物支給が許される場合があります。

 

 

【解説】

 

労働基準法第24条によって、給料の支払いについては厳格な原則が定められています。

 

一般的に「賃金支払いの5原則」と呼ばれるものです。

 

その中の1つに「通貨払いの」の原則があり、給料は通貨で支払わなければならない、と定められています。

 

 

ここでいう通貨とは、強制通用力のある貨幣で、日本で言えば、日本銀行券と鋳造貨幣、つまり日本のお札と硬貨となります。

 

従って、ご質問にあります、定期券は、強制通用力の貨幣ではなく、現物での支給となりますので、通勤手当を定期券で支給することは、労働基準法違反となります。

 

 

ただし、現物支給には例外規定が定められていて、労働協約による別段の定めがある場合には、現物支給が許される場合があります。

 

労働協約とは、会社と労働組合との間の労働条件に関する協定です。

 

ここで注意しなければならないのは、例外的に現物支給が許されるのは、あくまで労働協約による別段の定めがある場合で、従業員の過半数を代表する者等との労使協定では認められない点です。

 

従って、今回のご質問のケースでは、会社内に労働組合があるのであれば、労働協約を締結することにより、通勤手当を定期券で支給することは可能となりますが、もし、労働組合が無い場合には、現物支給が許される余地は全く無いこととなりますので、通勤手当を定期券で支給している状態は、ご質問の中にありますように、労働基準法違反となります。

 

 

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【ここがポイント】


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ここでは、通貨払いの原則についてもう少しお話したいと思います。

 

先程もご説明しましたが、給料は通貨で支払わなければならないと定められていて、通貨とは強制通用力のある貨幣を言い、日本では日本銀行券と鋳造貨幣(お札と硬貨)となります。

 

つまり、お札と硬貨以外のものは、強制通用力のある貨幣には該当しないこととなります。

 

従って、給料を手形や小切手で支払うことは労働基準法違反となります。

 

また、外貨(米ドル、ユーロ等)も日本国内で強制通用力のある貨幣ではないので、外貨で給料を支払うことも許されないこととなります。

 

 

ところで、意外にも思われるかもしれませんが、従業員の銀行等の口座への振込も、通貨払いの原則反すると考えられています。

 

銀行等の口座への振込は、従業員が銀行等に対して預金を引き下ろす債権を取得したということとなるため、通貨を支給したのとは異なります。

 

 

しかし、銀行等への振込の方が安全性も高く、従業員にとっても利便性が高いため、厳格に銀行等の口座への振込を禁止してしまうと、かえって従業員にとってデメリットとなってしまうために、従業員の同意がある場合には、銀行等の口座への振込が認められています。

 

ただし、銀行等の口座への振込が可能となるのは、あくまで従業員が同意した場合に限られますので、仮に従業員が銀行等の口座への振込に同意しない場合には、現金(お札た硬貨)で支給する必要があります。

 

 

なお、給料は従業員にとって最も重要な労働条件であるため、その支払いについては厳格に法律で規定されています。

 

今回お話した通貨払いの原則以外にも4つの原則が定められています。

 

給料支払いの5原則を正しく理解することは、労務管理においても最も重要なポイントと言えます。

 

今回お話した通貨払いの原則を含む、給料支払いの5原則については、こちらのブログでご説明していますので、是非、お読み下さい。

 

>>労働基準法第24条(賃金支払いの5原則)とは?

 

 

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