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Q 就業規則の減給規定について教えて下さい。

2018年12月31日

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【質問】

 

当社の就業規則には、懲戒処分の1つに減給規定が定められているのですが、減給金額等の具体的な金額等が記載されていません。

 

労働トラブルを未然に防ぐ効果を高めるためにも、具体的な金額等を記載したいと考えているのですが、法律で減給できる金額に上限があるようなことを聞きました。

 

具体的には、就業規則にはいくらまで減給できる旨を記載することができるのでしょうか?

 

【回答】

 

労働基準法により、「減給1回の額が、平均賃金の1日分の半額を超えてはならない。」及び「減給総額が、一賃金支払期における賃金の10分の1を超えてはならない。」と規定されています。

 

【解説】

 

労働トラブルを防止する意味でも、通常、就業規則には懲戒処分の規定を定めます。

 

一般的には、懲戒処分には、以下のものが考えられます。

 

①戒告(かいこく)

②譴責(けんせき)

③減給

④出勤停止

⑤降格

⑥懲戒解雇

 

①の戒告は、口頭での反省を求める処分で、②の譴責は、書面での反省を求めることとなります。

 

また、⑤降格と⑥懲戒解雇との間に、「諭旨解雇」を入れる場合もあります。

 

懲戒解雇と諭旨解雇との違いは、懲戒解雇は、会社が強制的に解雇する、懲戒処分の中で最も重いものですが、諭旨解雇は、それよりも退職金等で温情的な措置を含めた解雇とされています。(詳細については、今回は割愛させていただきます。)

 

 

さて、先程、ご紹介した①から⑥の懲戒処分の中で、③の減給以外は、労働基準法等の法律に特段の定めがありません。

 

ですから、懲戒規定をどのよう規定するかは、基本的には自由です。

 

例えば、②の譴責において、「始末書をレポート用紙3枚以上書くこと」や⑥の懲戒解雇において「無断欠勤3日で懲戒解雇」と規定すること自体、問題ありません。(ただし、規定の内容が、裁判等で正当性、合理性が認められないと判断される場合はあります。)

 

 

しかし、③の減給だけは、減給できる金額について、労働基準法第91条で規定されているため、就業規則の規定も当然その法律の範囲内での金額となります。

 

具体的には、「減給1回の額が、平均賃金の1日分の半額を超えてはならない。」及び「減給総額が、一賃金支払期における賃金の10分の1を超えてはならない。」とされています。

 

難しい規定ですので、少し解説したいと思います。

 

 

まず、減給は、2段階にわけて法律の制限を受けます。

 

例えば、無断遅刻が多い社員に、ある時期に減給処分を課したとします。

 

この時に減給できる金額の上限は、平均賃金日額の半額までです。

 

平均賃金日額は、過去3か月間の賃金を平均した場合の1日の金額のイメージに近いものですが、詳しい計算方法等については、こちらをご参照いただければと思います。

 

>>平均賃金の計算方法について(オフィスまつもとブログ 経営者応援.com)

 

 

仮に、その社員の平均賃金日額が、10,000円としたら、減給できる金額は、半分の5,000円が上限となります。

 

 

ところで、その社員が、減給処分を課した後でも、改善されず無断遅刻を繰り返した場合、さらに平均賃金日額の最大で2分の1金額を減給できるわけですが、無限に減給を続けることが出来ないのです。

 

それが、もう1つの制限「減給総額が、一賃金支払期における賃金の10分の1を超えてはならない。」となります。

 

これは、どういうことかと言いますと、仮に、先程の社員のある月の1ヶ月間の賃金の総額が、20万円とした場合には、1ヶ月間で減給できる合計が、20万円の10分の1、つまり、2万円が上限となる、という意味です。

 

ですから、その社員が、どんなに無断遅刻を繰り返しても、減給できる金額は、2万円まで、つまり、減給処分は4回までしか課せれないこととなります。(5,000円×4回=20,000円)

 

このように、減給については、労働基準法の制限を受けるために、その範囲内での規定とする必要があります。

 

 

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【ここがポイント】


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最後に少し法律的なことをお話ししたいと思います。

 

これまでお話ししてきたように、減給に関しては、労働基準法の制限を受けますが、この制限内であれば、会社は、無条件に減給できる権利を有していると思われるかもしれませんが、実は、それは誤りと言えます。

 

今回お話した労働基準法の制限は、あくまで減給する場合の上限金額を定めているに過ぎず、減給処分の行為そのものに正当性や妥当性を与えるものでありません。


 

これは、他の懲戒処分にも言えることですが、仮に減給が行われた場合に、その処分に対して労働者が訴えを起こし、裁判等で減給処分の正当性、妥当性が認められなければ、たとえ、減給額が、法律の範囲内であっても、減給処分は無効となります。

 

そのため、懲戒処分は安易に行わず、まずは、労働者に改善するように指導することを優先し、その上で、段階的に懲戒処分を行っていくことが重要です。

 

なお、減給につきましては、こちらのブログに詳しく書いてありますので、是非、お読み下さい。

 

>>減給処分には就業規則の規定が不可欠!

 

 

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【関連記事】 >>就業規則を作成しない7つのデメリットとは・・・?

 

       >>Q 就業規則に慶弔休暇を定めないといけないのですか?

 

  

 

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