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Q 借金返済は非常時払いの対象となりますか?

2019年9月25日

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【質問】

 

先日、ある従業員が、株式投資で大きな損失を出してしまい、借金返済のために給料の前払いを求めてきました。

 

その従業員は、「労働基準法には非常時払いの規定があって、従業員が非常時の場合には、会社は前払いに応じなければならない。」と言っています。

 

労働基準法には、本当に非常時払いの規定というものがあって、その従業員が言うように、前払いに応じなければならないのでしょうか?

 

 

【回答】

 

確かに労働基準法第25条で、非常時払いの規定が定められていますが、労働者が非常時における前払いを請求できるのは、労働者の出産、疾病、災害等など不時の出費を必要とする場合に限られており、株式投資の損失による借金返済は、労働基準法でいう非常時には該当しませんので、前払いの請求に応じる必要はありません。

 

 

【解説】

 

労働基準法第24条には、賃金支払いの5原則の規定が定められていますが、その中の1つに毎月一定期日払いの原則があります。

 

これは、月給の場合には「毎月20日や月末」、週給の場合には「土曜日」というように、給料は必ず一定期日に支払わなければならない、という規定です。

 

しかし、これは逆に言えば、給料の支払い日が決められている以上、その日以前に労働者は給料の支払いを請求することはできないこととなります。

 

 

ただし、この規定には例外規定が定められています。

 

それが、今回のご質問にある、労働基準法第25条で規定されている、「非常時払い」の規定です。

 

労働基準法第25条では、労働者が出産、疾病、災害等など不時の出費を必要とする場合にて、労働者が請求する場合には、会社は支払期日前であっても既往の労働に対する給料を支払わなければならないとしています。

 

ただし、非常時払いの対象となるのは以下の4つとされています。

 

①労働者の出産、疾病、災害

 

②労働者の収入によって生計を維持する者の出産、疾病、災害

 

③労働者又はその収入によって生計を維持する者の結婚、死亡

 

④労働者又はその収入によって生計を維持する者のやむを得ない事由により1週間以上の帰郷

 

従って、株式取引の損失による借金の返済は、上記のどれにも当てはまらないので、労働者から非常に払いの請求を受けても、会社はそれに応じる必要はありません。

 

 

なお、上記4つの理由に該当する場合でも、請求できるのはあくまで既往の労働に対する給料分のみとなります。

 

例えば、給料締切日の翌日から5日労働しているのであれば、その5日分に対する給料しか非常時払いの請求はできません。

 

 

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【ここがポイント】

 

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ところで、労働基準法第24条の一定期日払いの原則には、もう1つ例外規定があります。

 

労働基準法第23条には、「労働者が死亡又は退職した場合において、権利者の請求が場合においては、7日以内に給料を支払い、積立金、保証金、貯蓄金その他名称のいかんを問わず、労働者の権利に属する金品を返還しなければならない」とあります。

 

なお、権利者とは、労働者本人又は労働者が死亡の場合はその労働者の相続人を言います。

 

 

ここで注意しなければならないのは、この労働基準法第23条の場合、給料を請求できる条件は、退職又は死亡としか規定されていないため、今回お話しした労働基準法第25条とは違い、請求する理由は問われていません。

 

従って、退職した労働者から給料支払日であっても、給料の支払いの請求があった場合には、その支払いを拒むことはできず、請求のあった時から7日以内に給料を支払わなけれななりません。

 

なお、退職金については、退職金規程に定められて支払時期に支払えばよいとされています。

 

 

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