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労務管理用語シリーズ⑤ 皆勤手当と精勤手当

2021年4月27日

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今回のブログでは 皆勤手当と精勤手当についてお話したいと思います。

 

どちらも多くの企業で使われている手当ですが、意外に 経営者の方は、この違いについて意識せずに使われているケースが多いかと思います。

 

今回は、皆勤手当と精勤手当の違いについて解説と共に、皆勤手当と精勤手当に関して、法律的に気を付ける点が1つありますので、その点についてもお話したいと思います。 

皆勤手当と精勤手当の違いについて

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今回このブログを書くために、インターネットで皆勤手当、精勤手当を説明しているサイトをいくつか調べてみましたが、概ね皆勤手当は、「賃金計算期間内に無遅刻、無早退、無欠勤の場合に支給する手当」。

 

それに対して精勤手当は、「賃金計算期間内に、遅刻、早退、欠勤が少ない場合に支給する手当」。

 

このように書かれているサイトが多かったです。

 

皆勤手当は、1日も休まなかったし、無遅刻、無早退の場合に支給します。

 

それに対して、精勤手当は、多少、遅刻又は早退、欠勤があっても支給します。

 

このような使われ方をしているということです

 

ですから 皆勤手当と精勤手当の違いは、これを読んでいただければ、容易にお分かりになるかと思います。

 

 

ところで、実は、手当に関してですが、日本の企業では、家族手当、資格手当、住宅手当、通勤手当等の様々な名称の手当が支給されています。

 

しかし、法律では手当に関する規定は、1つもありません。

 

つまり、手当に関しては、どのような名称でどのような支給基準、いくら支給するか等については、一切法律の規定がありません。

 

ですから、どのような手当を、どのような名称で、どのような基準で、いくら支払うかというのは、実は会社の全くの自由となっています。

 

従って、必ずしも皆勤手当を無遅刻 無早退 無欠勤の場合に、支給しなければいけないというものではありません。

 

皆勤手当という名称でも、「1日欠勤があっても、皆勤手当を支給します。」という内容であったとしても、法律的に全然問題がありません。

 

 

ですから、先程、ネットでは、「皆勤手当は、1日も休まなかったし、無遅刻、無早退の場合に支給します。」「精勤手当は、多少、遅刻又は早退、欠勤があっても支給します。」という書き方をしていると書きましたが、これは、正確に言えば正しくないということとなります。

 

もし 皆勤手当を説明するのであれば、例えば、皆勤手当は、多くの企業では、無遅刻 無早退 無欠勤の場合に支給しています、といった表現を本来すべきです。

 

 

ちなみに、実は、労務管理に関しては、この皆勤手当 精勤手当以外にも同じように 本来法律の規定がないのに、あたかも法律の規定があるような表現をしているケースが、意外に多くあります。

 

例えば、懲戒解雇と退職金を説明しているサイトで、「懲戒解雇の場合には退職金は支給しない」というような表現しているサイトが結構あります。

 

そのようなサイトを読めば、「懲戒解雇の場合には退職金は支給しなくて良い」というように経営者の方は思われるかもしれませんが、実はそのような法律があるわけではありません。

 

ただ、多くの会社の退職金規程にそのような規定を記載しているだけで、実際には裁判等で懲戒解雇時の退職金不支給が否認されるケースもあります。

 

本来法律の規定が無いにもかかわらず、あたかも法律の規定で決まっているような表現をしているサイトもありますので、ご注意していただければと思います。

 

 

なお、皆勤手当、精勤手当については、例えば、「賃金計算期間内に無遅刻、無早退、無欠勤または遅刻、早退、欠勤が少ない場合に支給する。」といった規定で、無遅刻、無早退、無欠勤の場合と遅刻、早退、欠勤がある場合とで支給額に差を付けて、名称も、「精皆勤手当」というように、皆勤手当と精勤手当を合わせた名称を使用して運用しているケースもあります。

 

最低賃金と時間外労働割増賃金との関係

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先程もお話しましたように、手当に関しては法律の規定がないわけですから、どのような手当を、どのような名称で、どのような基準で、いくら支給するか ここは全くの経営者の自由となります。

 

ただし、手当自体に関しての法律の規定はありませんが、別の法律の規定が手当に関係してくる場合があります。

 

今回お話している皆勤手当、精勤手当に関して、実は この点で注意する必要があります。

 

 

具体的に、どの法律の規定が関係してくるかと言うと、最低賃金と時間外割増賃金となります。

 

最初に最低賃金との関係についてお話したいと思います。

 

最低賃金は、都道府県ごとに金額が定められていて、支給している賃金が最低賃金を上回っているか否かの計算をする場合には、基本的には支給総額を基に計算します。

 

ただし 支給する金額に加算できない手当がいくつかあります。

 

具体的には、通勤手当、家族手当、住宅手当などがあります。

 

ですから、仮に基本給だけでは、最低賃金の金額に達していなくて、通勤手当を合算して最低賃金の額を上回っていても、最低賃金法違反となります。

 

そして 皆勤手当と精勤手当も通勤手当同様、最低賃金を計算する時に加算することができません。

 

ですから、基本給だけでは最低賃金上回らないけど、皆勤手当、精勤手当支を給することに最低賃金額を上回っていても、それは法律違反となりますので、ご注意下さい。

 

 

次に時間外割増賃金のとの関係についてお話したいと思います。

 

時間外割増賃金を計算する場合には、基本的には、基本給以外に支給される手当も全て合算して計算する形となります。

 

ただし 労働基準法では、時間外割増賃金を計算する場合に、控除することできる手当が、いくつか決められています。

 

具体的には、通勤手当、家族手当、住宅手当などが規定されています。

 

ですから、例えば 通勤手当が2万円支給されていて、基本給が20万円に場合には、合計で22万円となります。

 

この場合、時間外割増賃金を計算する場合、あくまでも基本給の20万円でのみで、計算すれば良い形となります。

 

 

ところで、ここで注意が必要なのは、先程お話したように、皆勤手当と精勤手当は、通勤手当、家族手当、住宅手当同様、最低賃金を計算する場合は加算しませんでしたが、時間外割増賃金を計算する際には、通勤手当や家族手当のように総額から控除することができないのです。

 

仮に基本給20万円、皆勤手当2万円が支給されていたのであれば、合計22万円で時間外割増賃金を計算する必要があります。

 

これを基本給のみで計算してしまうと、時間外割増賃金の不足が生じてしまい、労働基準法違反となります。

 

このように、最低賃金と時間外割増賃金の計算において、通勤手当、家族手当、住宅手当は同じ取り扱いをしますが、皆勤手当と精勤手当は、時間外割増賃金の計算においては、通勤手当、家族手当、住宅手当とは異なった取り扱いをするので注意する必要があります。

 

まとめ

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今回は、皆勤手当と精勤手当についてお話しましたが、文中でもお話しましたが、手当自体に関しての法律の規定はないため、皆勤手当や精勤手当という名称であっても、その支給内容については、会社が自由に決めることができます。

 

むしろ、最低賃金と時間外割増賃金の計算方法時における取扱いが異なりますので、注意が必要となります。

 

 

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