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Q 課長以上には残業代は必要ないですか?

2019年8月26日

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【質問】

 

当社では、役職が課長以上に者には残業代を支給していません。

 

これは、労働基準法で「管理監督者には、残業代の支払いは必要無い」という規定があるので、このような措置を取っているのですが、先日、新たに課長に就任した従業員から、課長であっても実態は管理監督者では無いので、残業代を支払うべきだ、ということを言ってきました。

 

当社では、課長以上は管理監督者と考えているのですが、本当に課長にも残業代を支払う必要があるのでしょうか?

 

 

【回答】

 

労働基準法で規定する管理監督者は、名称や肩書等で判断されるのではなく、実態を持って判断をされます。

 

従って、たとえ「課長」という役職名が付いていても、管理監督者として実態が伴わなければ、残業代の支払いは必要となります。

 

 

【解説】

 

労働基準法第41条では、管理監督者に該当する者は、法定労働時間、休憩及び休日に関する法律の適用を受けないこととされています。

 

従って、管理監督者については、法定労働時間を超えて労働又は休日させても残業代や休日手当を支払う必要ありませんし、休憩時間も与える必要はありません。

 

 

となると、ここで重要なポイントなってくるのが管理監督者の定義です。

 

管理監督者の難しい点は、その定義が法律で明確に規定されているわけではありません。

 

しかし、厚生労働省の通達等で、管理監督者に当てはまるか否かは、役職の名称や肩書等でなく、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な関係にある者を言い、職務内容や勤務態様、賃金等の待遇等の実態で判断されます。

 

ですから、たとえ課長であっても、管理監督者としての実態が伴わなければ、通常の労働者同様、残業代や休日手当の支払いや休憩時間の付与が必要となります。

 

 

ここで、管理監督者の判断基準について、もう少し詳しくご説明したいと思います。

 

管理監督者として当てはまるか否かは、主に以下の点を基に判断されます。

 

① 職務内容

管理監督署として当てはまるには、労務管理について、経営者と一体の立場にあり、労働時間等に関する制限を超えて労働せざる得ないほどの職務内容である必要があります。

 

② 責任と権限

管理監督者として当てはまるには、労務管理について、経営者から一定以上の責任と権限が与えられている必要があります。

 

「課長」「店長」「リーダー」等の役職名があっても、自らの裁量で決定できる事案が少なく、多くの事項について経営者や上司に判断や指示を仰ぐ必要がある場合には、管理監督者には当てはまらないと言えます。

 

③ 勤務態様

管理監督者として当てはまるには、自己の労働時間について一定以上の裁量性が認められている必要があります。

 

自由に出退勤できない等、時刻労働時間について厳格に管理されている場合には、管理監督者には当てはまらないと言えます。

 

④ 待遇

管理監督者として当てはまるには、通常の労働者と比較して賃金、賞与、その他の待遇においてそれ相応の優遇を受けている必要があります。

 

 

繰り返しになりますが、労働基準法で定める管理監督者は、「課長」「リーダー」といった役職名や肩書で判断されるのではなく、上記の判断基準を基に実態で判断されることとなります。

 

ですから、今回のご質問の場合、上記の判断基準に照らし合わせて、管理監督者としての実態が伴っていれば残業代を支払わなくても良いのですが、単に「課長」という名称だけで、残業代を支払っていないのであれば、労働基準法違反の可能性が強いと言えます。

 

 

なお、管理監督者については、こちらのリーフレットをご参照下さい。

 

管理監督者としてのより細かい判断基準や管理監督者にまつわる裁判事例等も紹介されています。

 

>>労働基準法における管理監督者の範囲の適正化のために(厚生労働省)

 

 

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【ここがポイント】


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ところで、管理監督者につきましては、今回ご紹介しました判断基準は示されていますが、これらは法律に規定されたものではなく、あくまで目安でしかありません。

 

つまり、管理監督者に当てはまるか否かの判断は、法律の基準で判断することはできず、個々のケースごとに、裁判によって判断されることとなります。

 

 

ここが管理監督者の難しい点と言えます。

 

会社が管理監督者と考えていても、それには確実は法的根拠が伴うものではなく、裁判によって否認されてしまうケースがあります。

 

ただ、管理監督者について是非知っておいていただきたいのですが、裁判等で管理監督者として認められるハードルは想像以上に高いものです。

 

先程、ご紹介したリーフレットにも裁判例が紹介されていますので、是非、お読みいただければと思います。

 

 

ですから、安易に管理監督者として残業代や休日手当を支払わないようにすると、労働者からの訴えにより、裁判等で管理監督者として否認され、結果的に多額の残業代未払いが発生してしまう可能性がありますので、ご注意下さい。

 

 

なお、たとえ管理監督者として認められても、深夜割増や有給休暇につきましては、適用除外とはならず、通常の労働者と同じ取り扱いをする必要がありますので、こちらも併せてご注意下さい。

 

 

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