健康保険 ~任意継続被保険者~

【説明】

 

被保険者期間が2ヶ月以上ある労働者は、退職後、任意継続被保険者となることができます。任意継続被保険者の資格取得の申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内に行う必要あります。

 


【ここがポイント!】


退職日の前日までに、被保険者期間が2ヶ月以上ある労働者は、退職後、任意継続被保険者となることができ、退職後も健康保険に加入することができます。


この任意継続被保険者ですが、従来は、国民健康保険と比べて、給付内容や自己負担割合等でメリットがあったのですが、現在では、法律が改正され、一般の被保険者の場合、自己負担割合や給付内容は、国民健康保険とほとんど同じとなってしまいました。


ですから、退職後、国民健康保険でより任意継続被保険者を選択するメリットは、支払う保険料にあります。


任意継続被保険者の保険料は、退職時の標準報酬月額を用い、事業主負担分も併せて納付します。

 

つまり、在職中の保険料の額の2倍となります。

 

 

ただし、任意継続被保険者の標準報酬月額には、上限が設けられています。


平成31年現在では、28万円が、任意継続被保険者の標準報酬月額の上限となっています。


つまり、退職時の標準報酬月額が28万円以上であっても、28万円を用いて保険料が課せられるので、在職中の保険料より、任意継続被保険者となった時の保険料の方が少なくなるケースも考えらます。


また、任意継続被保険者の場合、通常の被保険者同様、条件を満たせば、配偶者等は、被扶養者となることができるので、保険料を支払うことなく、保険給付を受けることができます。


ところで、退職後に国民健康保険に加入した場合の、保険料は、お住まいの市役所へ行けば、教えてくれるので、任意継続被保険者になった場合と、国民健康保険に加入した場合の保険料を比べて、保険料が少ない方の制度に加入するのが良いでしょう。

 

 

ところで、任意継続被保険者の手続きに関して、1つ重要な点があります。


任意継続被保険者の資格取得の申出は、被保険者の資格を喪失した日から20日以内に行う必要あります。


一応、規定では、正当な理由がある場合には、資格喪失した日から20日を経過しても、申出を受理することができるとされていますが、「正当な理由」とは、天災地変又は交通・通信関係のストライキ等により法定期間内に届出ができなかった場合を言います。


ですから、単に申出に時間がかかってしまっただけでは、受理してくれません。

 

ここで覚えておいていただだきたいのですが、任意継続被保険者の申出期限は、非常に厳密に取り扱われます。


通常の被保険者資格は、資格取得日から5日以内に手続きをすることが定められていますが、実際には、2年以内であれば、出勤簿や賃金台帳等を添付することにより、溯って資格を取得することができますが、任意継続被保険者の場合は、正当な理由に該当しない限り、1日でも申出期限を過ぎたら、申出を受理してくれません。


ですから、退職者が任意継続被保険者の申出を考えている場合には、資格喪失の日から20日以内に必ず手続きをするようアドバイスすると良いでしょう。

 

 

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