雇用保険 ~被保険者資格と時効~

【説明】

 

雇用保険料の時効は、2年間です。

 


【ここがポイント!】


こちらのブログで労働基準法における時効についてお話ししていますが、雇用保険においても、時効についての規定が定められています。

 

>>時効について


その中で最も重要なものは、雇用保険料の徴収についての時効です。


雇用保険料を徴収のついての時効は、2年間となっています。

 

 

つまり、国は、雇用保険料を溯って徴収する場合、どんなに滞納があっても過去2年間分しか徴収することはできません。


これは、10年間分の滞納があっても、2年間分しか支払わなくて良いわけですから、一見すると使用者に有利な法律に思えます。

 

 

しかし、この時効については大きな問題があります。


現実問題として、何らかの理由で労働者の雇用保険の資格取得の手続きを忘れてしまう可能性は否定できません。


このような場合、被保険者資格を何処まで溯れるか、と言うと、先程お話しした、雇用保険料の徴収の時効を根拠に2年間分しか遡及できないのです。


つまり、仮に10年間の雇用保険の未加入期間があって、どんなにその期間の全ての保険料を支払う、と言っても、最大で2年間分しか遡及することができないのです。

 

 

となると、労働者が退職した場合に、受給できる失業給付の日数に影響してくることとなります。

 

金額にして、何十万円もの差が出ることとなります。


ですから、雇用保険の被保険者の取得については、確実に行う必要があります。

 

 

ところで、健康保険は、ご存知のように、加入すると健康保険証が労働者に発行されます。

 

ですから、労働者の方でも、入社後、保険証が手元に来なければ、通常は、使用者に確認をします。ですから、健康保険の場合は、長期間にわたる未加入ということは、ほとんど発生しないといえます。

 

 

ところで、雇用保険の場合にも、雇用保険被保険証という書類が発行されます。


しかし、雇用保険被保険者証は、在職中に労働者が、それを使用することは、教育訓練給付等ごく一部の場合を除いてほとんどなく、使用者が退職時まで保管しているケースも多々あります。

 

 

労働者の方も、健康保険と違い、雇用保険の資格取得については、どうしても確認に対して意識が薄くなってしまいます。


そのため、手続き忘れによる長期間の未加入が発生していますケースが起こり得てしまう、と言えます。


ですから、そのような事態を防ぐためにも、1年に一度、ハローワークで雇用保険の被保険者台帳を取ることをお勧めします。

 

 

被保険者台帳は、簡単な申請書に事業主印を押印すれば、簡単に無料で入手できます。


繰返しになりますが、雇用保険の未加入は、金額が多額になるため大きなトラブルに繋がりやすいので、是非、ご参考になさって下さい。

 

 

▼就業規則の見直しをご検討の方はこちら

>> オフィスまつもと 就業規則変更・作成サービス