妊産婦の対応について教えて下さい・・・。
【質問】
当社では、出産後、育児休業を取得後、職場に復帰した従業員がいます。
育児中の従業員については特別な配慮が必要と聞いたのですが、具体的にどのような点に注意すれば良いのでしょうか?
【回答】
妊産婦の保護規定には、時間外労働、深夜労働等の制限や育児時間等の確保等があります
【解説】
労働基準法や育児・介護休業法により、出産・育児中の労働者に対しての保護に関する規定は、産前産後休業や育児休業の他にも数多く定められています。
まず、労働基準法において、労働時間に関しての保護規定についてお話しします。
労働基準法において、妊産婦(妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性)が、請求した場合には、使用者は、時間外労働、休日労働及び深夜業をさせてはならないとしています。
また、変形労働時間制がとられる場合であっても、妊産婦が請求した場合には、1日及び1週間の法定時間を超えて労働させるこはできないとされています。
ただし、これらの規定は、全ての妊産婦に適用されるのではなく、あくまで妊産婦が請求した場合に限られます。
つまり、妊産婦が請求しなければ、妊産婦に時間外労働や休日労働、深夜労働をさせても法律上、問題ありません。
また、生後満1年に達しない生児を育てる女性は、労働基準法で定められた休憩時間の他に、1日2回、各少なくとも30分のその生児を育てるための時間(育児時間)を請求することができます。
この育児時間の規定も、使用者は、育児時間を必ず与えなければならないわけではなく、労働者が請求した場合に、与える必要があるという趣旨です。
ちなみに、先日、育児休業については、ご存知のように女性労働者だけではなく、男性労働者も取得できますが、この育児時間については、女性労働者だけが請求することができます。
また、妊産婦ではないのですが、労働基準法では、生理日の就業が著しく困難な女性に休暇の請求権を与えています。
ちなみに、休暇の請求は、半日又は時間単位で請求することもできます。
このように労働基準法による出産・育児に関する保護規定は、労働者の請求が前提となりますが、逆に言えば、使用者は、労働者から請求があった場合に、それを拒むと法律違反となりますのでご注意下さい。
なお、育児時間と生理休暇中の賃金に関してですが、労働基準法には、特段の定めがないので、有給とするか無給とするかは、使用者の任意と定められています。
【まとめ】

労働基準法や育児・介護休業法には、出産・育児中の労働者を保護する規定が多く設けられています。
妊娠中や産後1年以内の女性(妊産婦)は、請求すれば時間外労働・休日労働・深夜労働が免除され、変形労働時間制の下でも法定労働時間を超えて働かされることはありません。
ただし、これらは請求があった場合に限られ、請求しなければ適用されません。
また、生後1年未満の子を育てる女性は、1日2回各30分以上の育児時間を請求できるものの、これも請求が前提です。
育児休業は男女とも取得可能ですが、育児時間の請求は女性のみ認められています。
さらに、生理日に就業が困難な女性には休暇を請求する権利があり、半日や時間単位でも取得可能です。
なお、育児時間や生理休暇中の賃金については、労働基準法上の定めがなく、有給・無給の判断は使用者に委ねられています。
いずれの規定も労働者の請求が前提であり、使用者は請求があった場合に拒否することは法律違反となるため、注意が必要です。

