労働トラブルを防ぐポイント③ ~損害額の賃金控除~

【説明】

 

損害賠償額を賃金から控除することは法律違反となります。

 


【ここがポイント!】


労働者が退職する場合、すべての場合で円満退社となることが望ましいのですが、必ずしもそうならないのが、実情と言えます。


ところで、これは、私の経験ですが、何らかのトラブルで労働者が退職した場合、会社が、労働者に対して債権がある場合がよくあります。

 

 

例えば、会社の設備や車両の修理費用や貸付金等が残っている場合があります。


このような場合において経営者側からみれば、そのような債権を回収する手段として、賃金からの控除を選択したくなります。


確かに、退職した労働者から直接債権を回収することは、非常に困難と言えるので、賃金から控除すれば確実に回収できるし、その方が、圧倒的に楽と考えたくなるお気持ちは分かります。

 

 

しかし、賃金に関しては、全額払いの原則があり、賃金から控除できるのは、法令で定められた所得税や健康保険等の保険料、労使協定で定められた物品購入費等の事理明白なものに限られます。


ですから、損害賠償額を賃金から控除することは法律違反となってしまいます。


円満退社でなく退社した労働者の場合には、トラブルが起こるリスクが潜んでいます。


ですから、安易に損害賠償額を賃金から控除してしまうと、法律違反行為となってしまいますので、それだけ経営者側が不利な立場となってしまう場合も十分考えられますのでご注意下さい。

 

 

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