労災保険 ~受給権の保護~

【説明】


保険給付を受ける権利は、労働者の退職によって変更されることはありません。

 


【ここがポイント!】


業務上災害や通勤災害での負傷又は疾病により、保険給付を受けている労働者が、完治せずに退職する場合も考えられます。


しかし、労災保険での保険給付を受ける権利は、退職によって変更されることはありません。


つまり、必要であれば退職後も引き続き保険給付を受けることができます。


従って、休業補償給付を受けている労働者が、休業している状態のまま退職した場合、労働不能状態が続いていれば、退職後も休業補償給付を受けることができます。

 

 

ところで、後述する健康保険の制度に傷病手当金があります。

 

これは、業務外の理由で労働不能となった場合に支給されるものですが、この傷病手当金は、退職時に1年以上健康保険の被保険者である、といった一定の条件を満たせば、退職後も引き続き、傷病手当金を受けることができます。


逆に言えば、条件を満たさなければ、退職時で傷病手当金の支給は終わってしまいます。

 

 

しかし、労災保険の休業補償給付の場合には、そのような条件はなく、退職後も業務災害又は通勤災害での理由により、労働不能の状態であれば、保険給付を受けることができます。その点、労災保険は、非常に労働者にとって手厚い補償制度と言えます。

 

 

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