労災保険 ~特別加入 中小企業の事業主等~
【説明】
事業主においても一部労災保険への加入が認められています。
【ここがポイント!】
「労働者災害補償保険」は、文字通り労働者保護を目的とした制度です。
しかし、業務等の実態が労働者に準じた状況に置かれている事業主も数多くいるのも事実です。
従って、そのような事業主等を保護する目的で、しかし、労災保険本来の建前を損なわない範囲で一定の事業主等の労災保険への加入を認めています。
それが「特別加入」と呼ばれている制度です。
「特別加入」することができる事業主等は以下の通りです。
・中小企業の事業主等
・一人親方等
・海外派遣者(事業主等でありませんが、労災保険は海外勤務者には適用さ
れないため特別加入で補います)
本サイトでは、「中小企業の事業主等」と「一人親方等」についてお話していきたいと思います。
まず、「中小企業の事業主等」ですが、特別加入できるのは、あくまで「中小企業」の事業主等となります。
となりますと、「中小企業の定義」が重要となってきます。
「特別加入」できる中小企業は、事業の種類と労働者数によって判断されます。
具体的に中小企業と認められる規模は、
・金融業、保険業、不動産業、小売業の場合は、常時使用する労働者数が50人以下
・卸売業、サービス業の場合は、常時使用する労働者数が、100人以下
・上記以外の事業の場合は、常時使用する労働者数が300人以下
となります。
従って、金融業で常時使用する労働者数が80人の会社の事業主等は、特別入には加入するすることができないこととなります。
ところで、特別加入の趣旨は、事業主等であっても業務状況等が労働者と同様の部分が多いのが実情であるため、労働者に準じて保護する必要性が求め
られるものです。
従って、「労働者に準じて」ですから、労働者が存在する事が必要です。
ですから、「一人親方等」に該当する業種以外の業種では、労働者を雇用していない場合には、事業主は特別加入することが出来ないこととなります。
例えば、製造業や小売業などの事業主は、労働者を雇用していない場合には、特別加入はできません。
ところで、先程書きましたように、特別加入は、あくまで「労働者に準じて保護」することが本来の目的ですので、補償する対象も当然、「労働者に準じて」となります。
つまり、中小事業主等が特別加入しても、業務中のすべての災害が補償の対象となるわけではなく、あくまで労働者と同様の業務に従事していた場合に限られます。
例えば、同業事業主との会合等に出席する場合など、事業主としての業務に事中での災害等に対しては、基本的には補償されないこととなります。
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