労災保険 ~転院について~

【説明】


業務上負傷等し、治療を受けている病院等を変更する場合には、指定病院等の変更届を提出する必要があります。

 

 

【ここがポイント!】


本日から労災保険の手続きにおける注意点をお話していきたいと思います。


業務上負傷等し、療養を必要とする場合には、療養の給付を受けることがでいます。

 

療養の給付についてはこちらをお読み下さい。

 

>>労災保険 ~療養補償給付~

 


実際に療養の給付を受けるためには、療養の給付申請書(正式名称は、「療養補償給付たる療養の給付請求書」)を提出する必要があります。


この請求書を病院等へ提出することとなります。(提出先は、労働基準監督署ではありません)


なお、最近は薬に関しては、院外の薬局で処方されることが多いので、薬局についても請求書を提出する必要があります。

 

 

ところで、例えば、手術が必要で設備の整った大病院へ転医が必要等何らかの事情で治療を受けている病院を変更する必要が生じる場合があります。


このような場合には、指定病院等の変更届(正式名称は、「療養補償給付たる療養の給付を受ける指定病院等(変更)届」)を、転医先の病院へ提出する必要があります。

 

繰返しになりますが、提出先は、転医先の病院となります。

 

 

労災保険では、病院を変える場合にすべてが労災指定病院であれば、最初に治療を受けた病院等へ療養の給付請求書を提出し、その後転医した病院へ変更届を提出することとなります。

 

ところで、場合によっては病院等を変える場合に、労災指定病院等と労災指定以外の病院等が混在する場合も考えられます。


例えば最初に治療を受けた病院等が労災指定であった場合で、次に転医した病院等が労災指定以外であった場合には、最初に治療を受けた病院へは、療養の給付請求書を提出して、2番目の病院では療養の費用で対応することとなります。


また、逆に最初の病院等が労災指定以外で2番目の病院が労災指定の場合も考えられます。


この場合は、最初の病院等では療養の費用費で対応し、2番目の病院等に療養の給付請求書を提出します。

 

ここで注意すべき点は、転医後の病院等だから「変更届」を提出するように思われますが、最初に治療を受けた労災指定病院等に療養の給付請求書を提出することとなります。

 

 

つまり、極端な例ですが、9つの労災指定以外の病院等で治療を受けた後、10番目の病院等が、初めて労災指定病院の場合には、10番目の病院等へ療養の給付請求書を提出することとなります。

 

 

ちなみに、労災指定病院等から労災指定以外の病院等へ転医後、再び労災指定病院等へ転医した場合には、最初の病院等へ療養の給付請求書を提出し、2番目の病院等では療養の費用で対応し、3番目の病院へは変更届を提出することとなります。


つまり、どのような順番で何回病院等を変わっても、最初の労災指定病院等へ療養の給付請求書を提出し、その後は、労災指定病院等を変更する度ごとに転医先の労災指定病院等へ変更届を提出します。


そして、労災指定以外の病院等で治療を受けた場合には、それがどのような順番であっても、療養の費用で対応することとなります。

 

 

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