労災保険 ~健康保険との関係~
【説明】
業務上負傷等した場合には、健康保険を使って病院等で治療等を受けることはできません。
【ここがポイント!】
労災保険は、業務上又は通勤途上で負傷等した場合に病院等で治療等を受けることができます。
ところで、同じ保険給付の制度に健康保険があります。
しかし、健康保険の場合には、保険給付を受けられるのは「業務外での負傷等」でと明確に記されています。
つまり、業務上又は通勤途上での負傷等で、健康保険を使って治療等を受けことは出来ないこととなります。
しかし、業務上又は通勤途上での負傷等にもかかわらず、健康保険を使って治療を受ける、というケースは実際には起っています。
ここでは、その理由や問題点等についての解説は敢えてせずに、実務上の処理等についてお話したいと思います。
業務上又は通勤途上の負傷等にかかわらず、健康保険で治療等を受けてしまった場合には、まず病院等にその旨を申出ます。
病院等で健康保険での会計処理が終わっていなければ、健康保険の自己負担分を返還してくれます。
なお、当然ですが、労災保険の請求書を提出する必要があります。
通常、病院等の会計処理は月単位で行われるので、治療を受けた日と同月内であれば、通常は健康保険の自己負担分を返還してくれます。
しかし、労災保険の申出が遅くなってしまい、病院等の会計処理が終わってしまっていると療養の費用での対応となります。
病院等へ労災事故であったことを申出ることにより、病院等から健康保険へ労災保険であったことが伝えれます。
そして、治療を受けてから一定期間後(通常は、数ヵ月後です)に、健康保険の方から、自己負担分以外の治療費の請求が行われます。
請求書と一緒に、医療費等の明細書が送られてくるので、健康保険に支払った領収書とともに、療養の費用として労災保険に請求することとなります。
この場合、一旦治療費の全額を労働者が支払うこととなるので、労働者が負担を負うこととなってしまいます。
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