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裁判例で管理監督者を考える

2020年1月27日

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労働基準法では、労働時間、休憩及び休日の規定の適用を受けない労働者をいくつか規定しています。

 

いわゆる管理監督者と規定される労働者です。

 

実は、管理監督者については、運用を誤ってしまうと、今回のように企業にとって大きな痛手を被ってしまう場合があります。

 

今回は、管理監督者の問題を裁判事例を踏まえて考えてみたいと思います。

 

管理監督者のハードルは想像以上に高い

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管理監督者に関しての裁判例が、朝日新聞により報道されました。

 

朝日新聞の記事によると、東京地裁は、コナミ支店長を「名ばかり管理職」と認定し、同社に対して残業代の不足分及び付加金の支払いを命じました。

 

>>コナミ支店長を「名ばかり管理職」と認定 東京地裁 (朝日新聞)

 

 

労働基準法第41条では、労働時間、休憩及び休日の規定の適用除外をいくつか定めており、第2項に、「事業の種類にかかわらず監督若しくは管理の地位にある者又は機密の事務を取り扱う者」があります。

 

この規定中の「監督若しくは管理の地位にある者」が、いわゆる「管理監督者」に当たります。

 

管理監督者に該当すれば、労働基準法の労働時間、休憩及び休日の適用を受けなくなります。

 

 

具体的には、法定労働時間を超えて労働させても割増賃金の支払いが不要になり、休憩時間を与える必要もなく、毎週休日も与える必要がなくなります。

 

管理監督者は、自己の業務において裁量の余地が大きいため、労働基準法の適用を除外しても保護に欠けることはないというのが、適用除外とされる理由です。

 

従って、労働条件の最低基準である労働基準法の適用を除外するからには、管理監督者に該当するかどうかの判断は、厳格に判断される必要があります。

 

 

ただ、ここで問題となってくるのが、管理監督者の定義です。

 

管理監督者の問題が、何故、大きな労働トラブルとなってしまうか?その一番の理由は、管理監督者の定義が、法律で明確に規定されていない点にあると思います。

 

しかし、行政解釈により、管理監督者に当てはまるかどうかは、役職名や呼称ではなく、その労働者の職務内容、責任と権限、勤務態様、待遇を踏まえて実態により判断すべきであるとされています。

 

 

つまり、会社内で「課長」「支店長」といった役職に就いたからといって、必ずしも労働基準法で定める管理監督者に該当するわけではないのです。

 

では、管理監督として認められるのは、どのような要件が必要なのでしょうか?

 

これまでの判例から考えると、その主な要件は以下と言えます。

 

① 経営者と一体的な立場で仕事をしている

② 出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない

③ その地位にふさわしい待遇がなされている

 

従って、会社内で部長、支店長、工場長といった役職であっても、上記の要件に当てはまらなければ、法定労働時間を超えて労働した場合や休日に出勤した場合には、割増賃金や休日手当の支払いが必要となります。

 

 

今回のコナミの事例では、朝日新聞の記事によると、日常業務においても本社の決済が必要であったようですから、①の「経営者と一体的な立場で仕事をしている」には該当しないこととなり、また、時間外労働も日常的に余儀なくされていたようですので、②「出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていない」にも該当しないこととなります。

 

 

今回、対象となった支店がどの程度の規模かはわかりませんが、労働基準法に規定される管理監督者として認められるには、想像以上にハードルが高いのが実情です。

 

実際、管理監督者に関する裁判は、いくつも起こされています。

 

しかし、結果は、経営者にとって非常に厳しいものとなっております。

 

こちらの しっかりマスター 労働基準法(東京労働局)には裁判事例が記載されていますが(P3、P4)、13事例のうち、管理監督者として認められたのは、わずか1件です。

 


管理監督者の問題で怖いのが、もし裁判で管理監督者と認められなければ、これまで時間外割増賃金等を支払ってこなかったこととなってしまうので、その結果、多額の時間外割増賃金等の不足が発生してしまうこととなってしまうのです。

 

 

繰返しになりますが、管理監督者と認められためのハードルは、想像以上に高く、部長、工場長、支店長といった役職を付ければ、決して管理監督者となるわけではないことを改めてご理解いただければと思います。

 

なお、最後に追記ですが、仮に管理監督者と認められても、労働基準法の有給休暇及び深夜割増の適用は、受けるのでご注意下さい。

 

 

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