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社員に損害賠償請求をするには就業規則に規定が必要?

2020年7月12日

社員が社用車や備品などを壊した時や、 会社に大きな損害を与えた時、 会社が社員に損害賠償請求をしたいと思うこともあると思います。

 

社員に損害賠償請求をする場合は、 その旨を就業規則に定めておく必要があるのでしょうか?

 

また定めるのであればどのように規定すればよいのでしょうか?

 

就業規則で損害賠償金を予め決めておくことは違法です 

従業員が会社の什器や備品、車両等を破損してしまった場合には、会社は、従業員に対して損害賠償を請求する権利があります。

 

ところで、この損害賠償規定を就業規則に記載した方が良いですか?という質問を時々受けることがあります。

 

先程もお話ししましたように、従業員が会社の什器や備品、車両等を破損した場合には、会社に法律的に損害賠償を請求する権利が生じるわけですから、就業規則に規定が無いからといって、その権利が発生しないことはありません。

 

しかし、実際に、従業員が会社の什器、備品、車両等を破損してしまって、会社がその損害賠償を求めた場合に、規定が無ければ、従業員から何の根拠を持って支払わなければならないのですか?と反論されてしまう可能性もあります。

 

従って、就業規則に損害賠償規定を定めることは、個人的には必要かと思います。

 

また、損害賠償規定を定めることにより、従業員の意識が高まり抑止力の効果も規定できます。

 

 

ところで、損害賠償規定を定める場合に、注意すべき点が2つあります。

 

まず、労働基準法では、損害賠償金や違約金の請求に関して、予め損害賠償金や違約金の額を決めておくことが禁止されています。

 

例えば、よくあるケースとして、社有車で事故を起こした場合に、自動車保険の免責金額分を負担するというような規定を定める場合がありますが、自動車保険の免責金額は予め決まっているので、これは法律違反となります。

 

ですから、就業規則に損害賠償の規定をする場合には、「従業員が、会社の什器、備品、車両等を破損等した場合には、過失相当分を負担する。」というような規定にすれば良いかと思います。

 

この損害賠償金や違約金の予定額の禁止に関しては、多くの経営者が誤って認識しているため、法律違反の状態となりやすいので、十分注意する必要があります。

 

 

さらに、損害賠償について注意しなければならない点は、その支払方法です。

 

損害賠償を支払ってもらう場合、会社にとっては、その額を給料から控除することを当然考えると思います。

 

しかし、損害賠償金を給与から控除することは法律で禁止されています。

 

 

労働基準法では、給料は全額を従業員へ支払わなければならない、と規定しています。

 

ただし、実際にこの法律を厳格に適用してしまうと、かえって従業員に不便が生じてしまうため、いくつかの例外規定が設けられています。

 

まず、法律で給与から控除することができる旨の定めがある場合には、何の手続きも要せず、給料からの控除ができます。

 

例えば、所得税や健康保険料がそれに該当します。

 

それぞれの法律に源泉所得税や保険料を給料から控除できる規定が定められているので、会社は、特別な手続きを踏むことなく、給料から源泉所得税や保険料を控除することができます。

 

 

さらに、源泉所得税や保険料以外にも、寮費や給食費、物品購買費などは給料から控除してもらった方が、従業員も都合が良いと言えます。

 

ですから、労働基準法では、寮費や給食費、物品購買費などについては、従業員代表と書面による協定を結んだ場合には、給料からの控除を認めています。

 

ただし、ここで是非覚えておいていただきたいのですが、従業員代表との書面による協定を結べば、どのようなものでも給料から控除できるのではなく、あくまで寮費や給食費、物品購買費といった事理明白なものに限られます。

 

 

ここで問題となるのが、損害賠償金や修理費用が事理明白なものに該当するかどうかですが、損害賠償金や修理費用は事理明白ものには該当しないとされています。

 

従って、たとえ従業員代表との書面による協定を結んだとしても、損害賠償金や修理費用を給料から控除することはできないのです。

 

つまり、損害賠償金や修理費用を給料から控除した場合には、どのような場合であっても法律違反となってしまいます。

 

 

ですから、従業員に損害賠償金や修理費用を支払ってもらう場合には、従業員から直接現金等で支払ってもらうか、会社の銀行口座等に振込んでもらう必要があります。

 

損害賠償金や修理費用の給料控除も、多くの経営者が誤って認識している点でもありますのでご注意下さい。

 

 

【関連記事】 >>知って得する就業規則の作成7つのポイント

 

 

 

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