シリーズブラック企業にならないための労務管理⑭ トラブル事例 社会保険編

今回は社会保険のトラブル事例についてご説明したいと思います。

 

前回こちらの動画では、労働保険(労災保険および雇用保険)に関するトラブル事例についてご説明しました。

 

 

◆ブラック企業にならないための労務管理⑬ 福利厚生の基本!労働保険社会保険Part2

https://youtu.be/HZdzXCRP_BY

 

 

 

労働保険や社会保険に関して誤った運用をしてしまうと、トラブルが起こり、多額な損失が発生してしまう可能性があります。

 

特に今回お話する社会保険では、一度トラブルが起こってしまうと損失額が大きくなってしまう可能性があります。

 

今回のブログの前半では、トラブルがどのように起こって、そしてどのような形で多額な損失が発生してしまうかについてご説明したいと思います。

 

 

 

そして、ブログの後半では、社会保険のトラブルと密接な関係がある日本年金機構の調査についてお話していきます。

 

日本年金機構の調査が行われる場合、どのような視点で調査を行うかについてご説明します。

 

日本年金機構の調査がどのように行われるのか?調査のポイント知ることは、社会保険の正しい運用を行う上で非常に役に立ちます。

 

 

 

今回のブログをお読みになれば、誤った社会保険の運用がもたらす損失の大きさ、そしてそれを防ぐために注意すべきポイントを理解することができますので、是非、最後までお読みいただければと思います。

 

社会保険の加入基準について

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実は社会保険のトラブルは、社会保険の加入基準と密接な関係があります。

 

したがって、まずここでは社会保険の加入基準について少しご説明していきたいと思います。

 

なお、社会保険の加入基準についてはこちらの動画で詳しくお話していますので、是非ご覧いただければと思います。

 

 

◆ブラック企業にならないための労務管理⑫ 福利厚生の基本!労働保険社会保険Part1

https://youtu.be/HZdzXCRP_BY

 

 

 

社会保険は、健康保険、介護保険、厚生年金保険の総称となります。

 

社会保険の原則的加入基準は、通常の労働者の1ヶ月の労働日数および1週間の労働時間のそれぞれの4分の3以上ある労働者は、社会保険に加入させなければいけないとされています。

 

ここでいう通常の労働者というのは正社員、あるいは正社員と同じ時間だけ働くフルタイムの労働者と思っていただければ結構です。

 

 

 

ここは分かりづらい点ですので、具体的な数字でご説明したいと思います。

 

通常の労働者の1ヶ月の労働日数が20日、1週間の労働時間が40時間とします。

 

それぞれの4分の3は、15日(20日×3/4)と30時間(40時間×3/4)となります。

 

従って、1ヶ月15日以上かつ30時間以上働く労働者は、社会保険の加入基準を満たすこととなります。

 

 

 

ここで注意していただきたいのが、それぞれ4分の3という基準ですので、どちらか一方が、4分の3に満たない場合は社会保険に加入させる必要はありません。

 

例えば、1ヶ月20日働くけれど、1週間の労働時間が25時間しかない労働者は、社会保険に加入させる必要はないこととなります。

 

 

 

また、社会保険の加入基準は、あくまで1ヶ月の労働日数と1週間の労働時間とによって判断されますので、たとえパートタイマーやアルバイトであっても、加入基準を満たしている場合には、社会保険へ加入させる必要があります。

 

 

 

なお、役員に関しては常勤で報酬をもらっている役員の場合は、労働時間や労働日数に関係なく、社会保険に加入させないといけないとされています。

 

以上が社会保険の加入基準となります。

 

 

 

なお、社会保険の加入基準につきましては、一定規模以上に企業に対して、加入基準の拡大規定が定められていますが、拡大基準についてのご説明は、ここでは割愛させていただきます。

 

社会保険におけるトラブル事例

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では、どのような実際に社会保険においてどのようなトラブルが起こるかについてご説明したいと思います。

 

先程言いましたように、社会保険の加入基準を満たしている場合には、パートタイマーやアルバイトであったとしても、社会保険に加入させなければいけません。

 

 

 

また、会社によっては、労働者を雇用した後に試用期間を設ける場合があります。

 

しかし、試用期間中であっても、社会保険の加入基準を満たしている労働者であれば、社会保険に加入させる必要あります。

 

つまり、社会保険の加入基準を満たしている労働者を雇用した場合には、どのような場合であっても雇用日より社会保険に加入させなければならないということになります。

 

 

 

しかし、加入させなければならない日より遅らせて社会保険に加入させるケースが現実にはあります。

 

例えば、令和4年4月1日に社会保険の加入基準を満たしている労働者を雇用したにもかかわらず、社会保険への加入を令和4年7月1日、つまり3ヶ月遅らせて社会保険に加入させるケースがあります。

 

なぜこのような誤った運用が行われてしまうのかと言うと、雇用した労働者を保険に加入させてもすぐに辞めてしまうケースがあるため、保険料が無駄になってしまうから、しばらく様子を見るという理由からです。

 

 

 

そのお気持ちは、確かに理解できるところがあります。

 

社会保険の場合、保険料が雇用保険に比べて高額になります。

 

しかも、社会保険の保険料は、加入した月に関しては、1日しか加入していなくても月単位で保険料がかかります。

 

 

 

極端な話、4月1日に入社した労働者が4月1日から社会保険に加入し、4月2日に辞めても、1ヶ月分の保険料がかかります。

 

通常の労働者の場合、1ヶ月の保険料が大体3万円前後になります。

 

ですから、1日しか在籍しない場合でも3万円の保険料が発生します。

 

そして、会社もそれと同額の保険料を負担することになるので、1日しかいなくても会社は3万円の保険料を負担しなければなりません。

 

ですから、会社としてはすぐ辞めてしまうと保険料が無駄になるため、しばらく様子を見ることが多いです。

 

 

 

また、試用期間を設ける場合、試用期間は、通常3ヶ月とされるケースが多いため、試用期間が終了して正社員になってから社会保険に加入させるというケースも多々見られます。

 

しかし、これらの行為は、先程もご説明した通り、誤った運用となります。

 

 

 

それでは、このような誤った取り扱いが、なぜこれがトラブルとなってしまうかについてご説明したいと思います。

 

こちらの動画で、雇用保険におけるトラブル事例をご説明していますが、雇用保険の場合も、加入日を遅らせるケースがあります。

 

 

◆ブラック企業にならないための労務管理⑬ 福利厚生の基本!労働保険社会保険Part2

https://youtu.be/HZdzXCRP_BY

 

 

 

しかし、雇用保険の場合は、加入日を遅らせることで、労働者が本来受け取ることができる失業等給付を受け取れなくなることがあります。

 

そのためにトラブルが表面化しやすいところがあります。

 

 

 

それに対して社会保険の場合は、仮に労働者が入社してから3ヶ月後に社会保険に加入したとしても、その3ヶ月間は、労働者は国民健康保険などの何らかの保険制度に独自に加入しているケースがほとんどです。

 

そのため、入社後3か月間に病院にかかったとしても、基本的には健康保険と国民健康保険との自己負担割合は3割で同じなので、労働者には特段不都合は生じないこととなります。

 

 

 

また、この期間に厚生年金に加入していなかったとしても、その年金額は大きく変わるわけではありません。

 

しかも、年金を受給するのは、通常会社を退職した後65歳以降となるため、先の話となるケースが多いため、あまり意識されていないのが現実です。

 

ですから、社会保険の場合、加入日を遅らせたからといって、労働者からの訴えがあるケースはほとんどありません。

 

 

 

では、なぜ社会保険のトラブルが発生してしまうのかと言うと、それは日本年金機構の調査があるからです。

 

日本年金機構は、数年に一度、社会保険の加入状況について事業所の調査を行うこととなっています。

 

 

 

ただ、これは私の経験ですが、都道府県によって調査の頻度には差があるようです。

 

私の顧問先は、東京や埼玉にもありますが、東京や埼玉では調査の頻度があまり多くないようです。

 

この調査の話を東京や埼玉の顧問先の社長さんにすると、「いや先生、当社は今まで調査を一度も受けたことがないですよ」と言う経営者さんがほとんどです。

 

 

 

しかし、私の地元の静岡県浜松市では、日本年金機構の事務所が二か所ありますが、調査は、本当に何年かに一度、調査が行われます。

 

実際私の顧問先では、何年かに一度必ず調査を受けています。

 

ですから、頻度に差があるかもしれませんが、日本年金機構の調査は何年かに一度行われるルールになっています。

 

 

 

では、日本年金機構の調査で、何を調べるかというと、実は調査する項目はほぼ決まっていて、適正な加入、適正な加入日、適正な報酬の届出です。

 

具体的にご説明しますと、適正な加入というのは、加入基準を満たしているのに、社会保険に加入させていない労働者がいないかを調査します。

 

そして、適正な加入日とは、社会保険の加入基準を満たしている労働者を雇用した場合、雇用した時点から社会保険に加入させなければなりませんが、その加入日が適正であるかを調査します。

 

最後の適正な報酬というのは、社会保険料は、届け出た報酬によって決まるため、報酬が正しく届け出されているかを調査します。

 

以上が日本年金機構が事業所を調査する場合の項目となりますが、社会保険のトラブルと関係してくるのが、2番目の適正な加入日なのです。

 

 

 

社会保険への加入日が適正であるかを調査することによって、先程ご説明した加入日の誤った運用が指摘されるわけです。

 

例えば、本来は令和4年4月1日に社会保険加入させなければならない労働者を、もし令和4年7月1日に加入させていたら、当然それが指摘されることとなります。

 

 

 

そして、指摘されたらどうなるかと言うと、加入日を令和4年7月1日から令和4年4月1日に訂正しなければならなくなります。

 

訂正が行われれば、令和4年4月1日から社会保険に加入していたことになるわけですから、3ヶ月間の保険料が新たに発生することとなります。

 

先程言いましたように、1ヶ月の保険料は、労働者が負担する分が大体3万円位です。

 

ですから、3ヶ月間の労働者負担分と会社負担分を合わせて合計で18万円位の追加で納めなければならなくなります。

 

 

 

ここでぜひ覚えておいていただきたいのですが、社会保険料の納付方法は、労働者負担分と会社負担分を合わせて会社が日本年金機構に支払います。

 

通常は口座から引き落されますので、この加入日の訂正手続きが終わると、日本年金機構は、追加の保険料を会社の口座から引き落とします。

 

ですから、会社は、労働者から新たな保険料を徴収しなければならないこととなります。

 

 

 

ところで、元々は、会社の都合で3ヶ月遅らせて社会保険に加入させたわけです。

 

ですから、日本年金機構の調査で指摘を受けたから加入日を訂正したとしても、後になって追加の保険料を労働者に請求するのは現実的に難しいところがあります。

 

本来は労働者が支払うべきなのかもしれませんが、会社が勝手に3ヶ月遅らせたのに、後になって保険料を請求されれば、労働者からすれば、到底納得できるものではりません。

 

 

 

しかも、金額が3ヶ月間で9万円となれば、それなりの金額になります。

 

結局、会社が、労働者分の保険料を負担することになってしまうケースが多いのが実情です。

 

 

 

さらに、注意しなければならないのは、これまでは1人のケースを想定してご説明しましたが、もし10人の労働者に対して加入日を3ヶ月遅らせていて、それが指摘されれば、会社が、負担する保険料は90万円もの金額になってしまいます。

 

しかも、会社負担分も一緒に払わなければいけないということで、払う金額は180万もの高額になってしまうのです。

 

ですから、社会保険の加入日を遅らせるということは、非常にリスクが高いということになります。

 

 

 

そして、これは私が経営者の方によく言うのですが、仮に労働者を10人雇用して10人の加入日を遅らせたとしても、その10人が全員すぐに辞めるわけではありません。

 

もし仮に10人のうち1人がすぐに辞めたとします。

 

1人しか辞めなかったということは、得をした金額は、3万円に過ぎないこととなります。

 

しかし、もし調査があって誤りが指摘されれば、負担しなければならない金額は何十倍にもなります。

 

 

 

ですから、安易に加入日を遅らせることは決して会社にとって得にはならないのです。

 

むしろ、大きなトラブルや損害が発生する可能性が高いため、正しい運用を行うことが本当に重要となります。

 

日本年金機構の調査について

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ここでは、先程お話しした日本年金機構の調査について、もう少し詳しくご説明したいと思います。

 

これまで、社会保険の加入日について誤った運用をし、それが指摘された場合に損失が発生するという話をしました。

 

 

 

ところで、このようなお話をすると経営者の中には、「でも先生、仮に調査があった場合でも、発見されなければ別に問題ないのではないですか?うちは従業員が100人以上います。もし100人分の賃金台帳や出勤簿を持って行ったとして、その中から誤った取り扱いを指摘するのは、無理ではないですか?」と思われる方もいます。

 

しかし、実はそうではありません。

 

 

 

誤った取り扱いをしているのであれば、私の経験上、調査があれば、加入日の誤った取り扱いに限らず、適正な加入、適正な報酬についてもほぼ100%の確率で間違いが指摘されます。

 

なぜ日本年金機構は、100%に近い確率で指摘できるのか?その理由をこれからご説明したいと思います。

 

 

 

ところで、このようなことを言うと、「先生、そんな極秘なことをお話して大丈夫なのですか?」と思われるかもしれませんが、実はそれほど極秘の話ではないのです。

 

以前、ある顧問先で日本年金機構の調査があった際に、私も同席した時に、職員の方に「調査はこのような視点から行われるのですよね?」と聞いたところ、職員の方も「そうですよ、そのような形でやりますよ」と簡単に答えてくれました。

 

ただ、極秘ではないにしても、誤った取り扱いが100%に近い確率で指摘される理由を知れば、調査をごまかそうとしても実際には無理だということを理解していただけると思いますので、是非お読み下さい。

 

 

 

なお、今回ご説明するのは、適正な加入日についてご説明させていただきます。

 

適正な加入および適正な報酬に関しは、いずれ改めてご紹介したいと思います。

 

 

 

それでは、なぜ加入日について誤った取り扱いをした場合、100%の確率で指摘されるのか?その理由についてお話ししたいと思います。

 

先程少し触れましたが、日本年金機構の調査には、労働者名簿や出勤簿、賃金台帳等の書類の提出が求められます。

 

 

 

ちなみに、出勤簿や賃金台帳については、調査の日から過去2年間分を、日本年金機構は要求してきます。

 

なぜ2年間分かといいますと、保険料を徴収することができる権利が、日本年金機構には2年間しかないため、2年より前、仮に誤った取り扱いがあって、保険料が不足していた場合でも、もうそれを徴収ができないわけです。

 

ですから、調査期間を2年間としているわけです。

 

 

 

では、具体的に適正な加入日についてどのような形で調査が行われるのかをご説明していきたいと思います。

 

先程も言いましたように、調査では、過去2年間分の出勤簿と賃金台帳が提出されます。

 

従業員数が、100人も200人もいる会社では、膨大な数となります。

 

 

 

ですから、仮に1件誤った取り扱いをしていたとしても、膨大な量の出勤簿や賃金台帳の中から、その1件を見つけるのは、通常は難しいと思います。

 

しかし、実はそんなに難しいことではないのです。

 

 

 

なぜなら、日本年金機構の調査では、出勤簿とか賃金台帳を最初から一枚一枚調べていくわけではありません。

 

実は、調査に来る前から調査する人を決めているのです。

 

決めているというよりも、調査する人はもう決まっているのです。

 

 

 

それはどういうことかというと、先程過去2年間分しか保険料を徴収することができないというお話をしました。

 

つまり、仮に加入日が誤りであって、加入日の訂正を行い、その結果保険料を徴収することとなっても、過去2年間しかできないのです。

 

ですから、調査の対象となるのは、調査日から過去2年間に社会保険に加入した人だけです。

 

 

 

調査では、過去2年間に社会保険に加入した人だけを調べるわけで、出勤簿や賃金台帳を最初から調べるわけではありません。

 

もし過去2年間の間に社会保険に加入している人が5人いたとすれば、その5人分だけの出勤簿と賃金台帳を調べます。

 

 

 

もし雇用日より後に社会保険に加入させていた労働者がいた場合、その労働者の加入日以前の出勤簿や賃金台帳が存在するか調べます。

 

実際、加入日前に雇用しているわけですから、出勤簿や賃金台帳は存在するわけです。

 

ですから、加入日が間違っているということをすぐ指摘できるわけです。

 

 

 

このように経営者にお話しすると、経営者の方の中には、「だったら、4月、5月、6月の出勤簿と賃金台帳をあらかじめ抜いておけばわからないのではないですか?」と質問される方もいます。

 

確かに、加入日が7月1日で、6月、5月、4月の賃金台帳や出勤簿がなければ、ある意味、7月1日の加入日が正しいという形となります。

 

しかし、日本年金機構は、別の視点から調査します。

 

 

 

調査するときに提出させる書類の中に、源泉所得税の領収書の写しがあります。

 

源泉所得税の領収書には、労働者に払った給与総額というのが載っています。

 

源泉所得税は、毎月納付場合と6ヶ月に1度納付する場合とがありますが、仮に毎月納付の場合であれば、6月分の領収書には、6月に労働者に支払った給与総額が記載されています。

 

 

 

調査では、その記載されている給与総額と提出された賃金台帳とに相違がないかを調べるのです。

 

もし賃金台帳があらかじめ抜かれていれば、提出された賃金台帳の合計と領収書に記載された給与総額とが合わなくなります。

 

当然、賃金台帳の合計額の方が少なくなります。

 

ですから、全ての賃金台帳が提出されていないことが、すぐにわかるわけです。

 

 

 

このような理由で日本年金機構の調査では、加入日の誤った取り扱いについて、100%に近い確率で指摘することができるのです。

 

このようなお話しすると机上の空論に聞こえるかもしれませんが、私はこれまで何回も日本年金機構の調査に立ち会ってきました。

 

これまでは、本当に100%の確率で加入日の誤りは指摘されてきました。

 

 

 

ところで、これはあくまで私の推論ですが、不正が発覚したときには、日本年金機構の印象は当然悪くなることが予想されます。

 

その結果、本来であれば、数年に一度調査が行われるはずのものが、来年も再来年も行われるようになるかもしれません。

 

 

 

このように日本年金機構の調査が行われると、加入日の誤った取り扱いは、必ず指摘され、最終的には高額な損失が発生する可能性があります。

 

ですから、社会保険の正しい加入の運用は、経営にとって非常に重要な事項ですので、ぜひご理解いただければと思います。

 

まとめ

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今回は社会保険のトラブル事例についてお話してきました。

 

繰り返しになりますが、社会保険の加入日を安易に遅らせてしまうことは、大きな損失に繋がってしまう可能性があります。

 

 

 

そして、ここをぜひ覚えておいていただきたいのです、このような不正な取り扱いは、実は、経営者が守らなければいけない法律の中で、最も手を染めやすいものです。

 

なぜなら、お金が直結してくるからです。

 

 

 

加入日を3ヶ月遅らせれば、3ヶ月分の保険料を支払わなくて済みます。

 

そして、加入の手続きを取らないだけですから、方法としては非常に簡単です。

 

ですから、経営者の方が、最初にコンプライアンス違反をしてしまうのが、この社会保険の、特に加入日の誤った取り扱いが非常に多いと言えます。

 

そのような意味からも、社会保険の取り扱いというのは正しく行うことが本当に重要です。

 

 

 

今回のシリーズのテーマであるブラック企業にならないための労務管理、第1回の動画でもお話していますが、一度法律違反をしてしまうと、次から次へと違反をしてしまうケースが本当に多いです。

 

 

◆ブラック企業にならないための労務管理① なぜブラック企業になってしまうのか?

https://youtu.be/cRqQwL8_G4o

 

 

 

人間、1回違反を行ってしまうと感覚が麻痺してしまうところがあります。

 

そして、ブラック企業への坂道を駆け下りていく、ブラック企業の闇に堕ちていってしまいます。

 

ですから、社会保険の適正な運用というのは、本当にブラック企業にならないためには重要な事項となってきます。

 

今回のブログを、是非今後の労務管理の適正化にお役立ていただければと思います。