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就業規則の周知義務について

2020年1月24日

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就業規則を作成・変更する場合、いかに有益な就業規則を作成するか、が最も重要なポイントであることは言うまでもありませんが、実は、就業規則の問題を考える際に、これとは全く別の次元で非常に重要なポイントがあります。

 

それが、就業規則の周知義務です。

 

今回は、就業規則の周知について解説します。

就業規則は、適正な方法での周知義務があります

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労働基準法により、作成又は変更した就業規則は、労働者に対して一定の方法で周知させなければならないと定められています。

 

一定の方法とは、以下のものが労働基準法で定められています。

 

①作成又は変更した就業規則を常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける。

②作成又は変更した就業規則を書面にて労働者に交付する。

③就業規則の内容を磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置する。

 

ただし、判例では、上記以外の方法であっても、労働者が就業規則の内容を知ろうと思えばいつでも知ることができる状態であれば、周知義務を果たしたと考えられています。

 

 

では、周知義務が、就業規則の問題を考える際に、何故、重要であるかについてお話ししたいと思います。

 

そもそも、就業規則を作成又は変更する目的は、労働トラブルを防ぎ、労働者が安心して働くことができる秩序ある職場環境の維持にあると言えます。

 

しかし、そのためには、当然ですが、就業規則が、労働者に対して効力を有している必要があります。

 

就業規則が、労働者に対して効力を有しているから、万一、労働トラブルが発生しても、就業規則を根拠に解決することができるのです。

 

もし、就業規則が、労働者に対して効力を有していなければ、就業規則は、文字が書かれたただの紙となってしまいます。

 

となると、重要なポイントとなってくるのが、作成又は変更された就業規則が、どの時点で労働者に対して効力を有することとなるかです。

 

この点につきましては、法的に明確な規定が無いのですが、周知義務を果たした時点で効力を有することとなる、という考えが多数意見です。

 

つまり、就業規則は、作成又は変更しただけではその効力は発生しないと考えられているのが一般的なのです。

 

となると、周知されていない就業規則は、ただの紙に過ぎなくなってしまいます。

 

 

ところで、常時10人以上の労働者を雇用している事業場は、就業規則を管轄の労働基準監督署に提出する必要があります。

 

ですから、就業規則を労働基準監督署へ提出した時点で効力が発生するようにも思えますが、先に書きましたように、あくまで就業規則の周知義務を果たした時点で効力が発生すると解されているので、単に労働基準監督署に届出ただけでは、効力は発生しないこととなります。

逆に労働基準監督署に届出がされていない就業規則であっても、適正な方法で労働者に周知されていれば、就業規則の効力は発生することとなります。

 

 

ところで、就業規則の周知義務について経営者の方にお話しすると、就業規則を労働者に周知することに難色を示す経営者の方が時折います。

 

その理由は、就業規則を労働者に見せれば、有給休暇や休業手当といった権利について労働者が知ってしまうのが困る、というものがほとんどです。

 

確かに個人的にはそのお気持ちもわからないではないのですが、有給休暇や休業手当などは、法律で定められた労働者の権利です。

 

つまり、たとえ就業規則の周知に関係なく、当然に権利は発生します。

 

 

また、確かに現在のようにインターネットが普及している時代では、労働者は、労務管理に関する知識は容易に入手することができます。

 

ですから、就業規則を周知しないからといって、労働者が、有給休暇や休業手当といった法律で定められた労働者の権利について知らないままでいる、というケースは非常に少なくなってきていると言えます。

 

 

ところで、昨今、労働トラブルが著しく増加しています。

 

全国の労働基準監督署等に寄せられる労働相談の件数は、ここ10年で2倍以上に増加しています。

 

一度、労働トラブルが発生してしまうと、その解決には多大な時間と労力が必要とされ、経営者に大きなストレスが襲ってきてしまいます。

 

 

また、「ブラック企業」という言葉に象徴されるように、企業の労務管理に関する世間の目は、非常に厳しいものとなってきています。

 

労働トラブルを防止し、秩序ある職場環境を維持することは、経営的な面からみても非常に重要ことなのです。

 

そのためには、就業規則が、非常に大きな役割を果たすのです。

 

せっかく労力と費用をかけて作成又は見直しをした就業規則が、効力を有しなければ、就業規則自体が、何の意味も待たないただの紙に過ぎなくなってしまいます。

 

ですから、単に労働者の権利について知られたくない、という理由だけで、就業規則を周知しないということは、実は全く割に合わないことで、かつ経営的にみても大きなマイナスとなってしまうのです。

 

このように就業規則の周知義務は、非常に重要な問題ですので、就業規則を作成又は変更した場合には、必ず適正な方法で労働者へ周知することを正しくご理解いただければと思います。

 

 

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【関連記事】 >>Q 就業規則に社員の同意がもらえないのですが・・・

 

 

 

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