各種規程作成のポイント③ 退職金規程について -3-

社内規定を整備する場合、就業規則、賃金規程以外にも各種規程を作成する必要がある場合があります。

 

ここでは、各種規程を作成する場合の注意点を各規程ごとに解説していきたいと思います。

 

今回は、退職金規程を作成する準備段階における注意点についてご説明したいと思います。

 

ここでは、退職金問題が生じる理由についてわかりやすく解説してあります。

 

退職金の支給額とその積立方法との間で、積立不足等の問題が生じてしまう理由は、退職金規程を相談する相手と積立方法を相談する相手が違うことが最大の要因と言えます。

規程と積立方法について相談する相手が違うことが問題発生の大きな原因です

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各種規程作成のポイント② 退職金規程について -2-  でもお話ししましたが、退職金制度を導入する場合には、退職金の支給額と

 

その積立方法を同時に検討することが重要であると書きました。

 

 

では、逆の視点で、何故、退職金の支給額とその積立方法との間で、積立不足等の問題が生じてしまうのでしょうか?

 

これは、退職金規程を相談する相手と積立方法を相談する相手が違うことが最大の要因と言えます。

 

退職金規程の作成に関しては、私のような社会保険労務士といった法律の専門家に依頼することが多いといえます。

 

退職金規程には、勤務年数による支給額や退職金の計算方法等を記載しますが、極端な話し、それ自体は、机上の空論でも構わないのです。

 

つまり、規程を作成する側は、必ずしも退職金の支給額の原資についてまで関与する必要はないのです。

 

 

一方、退職金の積立方法については、金融機関や保険関係の専門家に相談する場合が多いと言えます。

 

この場合、どうしても自社の金融商品を販売したい、という思いが出てきます。

 

例えば、本来なら、規程による退職金の支給額から計算して、毎月10万円の積立をしなければならない場合に、経営者が、「その金額では少し苦しいな」 となった場合に、「では、半分だけの金額にしておきましょうか?」といったセールスは、当然行われます。

 

 

それ自体は、それでも良いのですが、もし、積立金を半分にしたら、退職金の支給額も半額にする必要があります。

 

しかし、金融機関や保険会社の営業マンは、たとえ当初の半額でも、自社の商品が売れれば、それで終わり、というところがあります。

 

結果的に、退職金規程と積立金との間で、積立不足という大きな問題が発生してしまう結果となってしまうのです。

 

 

このような問題を避けるには、一番良い方法は、退職金規程に関する法律と金融商品等についての両方の知識を持っている専門家に依頼することです。

 

もし、それが無理でしたら、なるべくそれぞれの相談者に、それぞれの現状をよく説明しながら制度導入を進めていくことが重要です。

 

いずれにしても、規程と積立方法に関して、相談する相手が違うために、大きな問題が起こりやすい、ということをご理解下さい。

 

 

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