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Q 懲戒解雇した社員から退職証明の交付を依頼されたのですが・・・。

2019年9月18日

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【質問】

 

先日、問題行動を起こして懲戒解雇した社員から、「転職先の会社に退職証明を提出する必要があるので、退職証明を交付して欲しい。」という連絡がありました。

 

さらに、「退職理由を懲戒解雇ではなく、自己都合退職で記載して欲しい。この書類は、転職先に出すだけなので、嘘を書いてもわからないからだ大丈夫だから。」とも言われました。

 

本当に、実際の退職理由と異なった理由を書いても大丈夫なのでしょうか?

 

また、当社としては、懲戒解雇した社員と一切関係を持ちたくないので、退職証明を交付することにも抵抗を感じます。

 

退職証明とは、依頼があった場合には必ず交付しなければならないのでしょうか?

 

 

【回答】

 

退職証明(退職時の証明書)は、労働基準法第22条によって定められている労働者の権利ですので、労働者から請求があった場合には、会社は遅滞なく交付しなければならず、これを拒んだり又は理由もなく遅延して交付したりすることは労働基準法違反となります。

 

また、退職証明に事実に反する内容を記載することはもちろん、労働者が請求していない事項を退職証明に記載することも労働基準法違反となります。

 

 

【解説】

 

労働基準法第22条では、退職や解雇時の紛争を防止して、労働者の再就職の活動に役立ててることを目的として、労働者が退職証明の交付を請求した場合には、使用者(会社)に退職証明の遅滞ない交付を義務付けています。(なお、退職証明は正式には退職時の証明書と呼ばれていますが、ここでは退職証明でご説明させていただきます。)

 

従って、労働者から退職証明の請求があった場合には、会社にはその遅滞ない交付が義務となりますので、交付を拒んだりしたり、正当な理由なく交付を遅らせることはできません。

 

もし、退職証明の交付を拒んだり、理由なく交付を遅らせたりした場合には、労働基準法違反となり、30万円以下の罰金に処せられます。

 

 

また、労働基準法では退職証明には解雇に至った事実関係を証明しなければならないとされているため、退職の事由に関して偽りの記載をすれば、当然に法律違反となります。

 

ですから、今回のご質問のケースでは、たとえ懲戒解雇した社員であっても、遅滞なく退職証明を交付しなければならず、また、退職の理由については、事実通りに記載しなければなりません。

 

 

ところで、退職証明に記載する事項は以下とされています。

 

①使用期間

②業務の種類

③その事業における地位

④賃金

⑤退職の事由(退職の事由が解雇の場合は、その理由を含む)

 

退職証明について注意すべき点があります。

 

退職証明は上記の事項全てを記載するのではなく、記載する事項は、あくまで労働者が記載を請求した事項のみとなります。

 

もし、労働者が請求していない事項を記載した場合には、これも労働基準法違反なり、30万円以下の罰金となりますのでご注意下さい。

 

 

なお、退職証明の請求権の時効は2年間とされていますので、2年以上前に退職した労働者からの請求については応じる必要はありません。

 

ただし、回数には制限が定められていませんので、退職後2年以内であれば、何回でも労働者の請求に応じる必要があります。

 

また、交付時期は、「遅滞なく」としか規定されていないので、請求があってから1週間程度以内に交付すれば良いでしょう。

 

 

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【ここがポイント】

 

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退職証明は、勤務していた会社との間での退職や解雇についての紛争を防ぎ、労働者の再就職の活動に役立てるための趣旨として法律に規定されていいますが、それ以外にも転職先の会社での入社可否の判断のための書類として利用されるケースがあります。

 

実は、労働者を採用する時に、退職証明を提出させるのは、問題を起こす可能性のある労働者を雇用しないための1つの重要なポイントと言えます。

 

入社時には、どの会社も履歴書を提出させるかと思いますが、履歴書は本人が記載したもので、記載内容を裏付けするものがありません。

 

 

しかし、退職証明を提出させれば、退職事由と従事していた業務については確認することができます。

 

もちろん、履歴書に虚偽の内容を記載すれば、経歴詐称で懲戒解雇事由に該当しますが、実際には裁判等では、全ての経歴詐称での懲戒解雇が認められるわけではありません。

 

しかし、退職証明を提出させて、万一、経歴詐称を発見すれば、その時点では、まだ雇用前ですので、不当解雇等の問題は発生しないこととなります。

 

このように退職証明は、適正な労務管理を実現する上で重要なポイントと言えます。

 

 

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