シリーズブラック企業にならないための労務管理⑦ 割増賃金計算事例集

今回は、割増賃金の計算事例をご紹介したいと思います。
割増賃金は、労働者の労働時間や労働日数、または時給、日給、月給等の支給形態によって様々なケースが出てきます。
そのため、割増賃金の計算は経営者にとって、非常に頭を悩ませるところかと思います。
しかし、割増賃金は正しく計算しないと、割増賃金の不払いや不足が生じてしまい、労働者が会社に対して不信感を持ってしまう原因にもなってしまいます。
ですから、割増賃金の計算を正しく行うことは、労務管理において非常に重要なポイントとなります。
今回は、割増賃金の計算事例をいくつかご紹介して、様々なケースの割増賃金の計算を考えてみたいと思いますので、是非最後までお読みいただければと思います。
時間外労割増賃金の計算について
割増賃金には、時間外労働割増賃金、休日労働割増賃金そして深夜労働割増賃金がありますが、まず時間外労働割増賃金についていくつかのケースをご紹介しながら、計算方法を考えていきたいと思います。
ケースⒶ
まず、法定労働時間(1日8時間、1週間40時間)を超えて時間外労働した場合の、割増賃金の計算事例をご紹介したいと思います。
なお、前提条件として、時給1,000円、割増率が2割5分増、1日の労働時間が8時間で、土曜日、日曜日が休日で 日曜日が法定休日の前提でご説明したいと思います。
まずケースⒶを見ていきたいと思います。
ある週の水曜日に、1時間、時間外労働をしたとします。
元々の勤務時間が8時間ですので、1時間時間外労働するということは、9時間労働したこととなります。
1日に9時間するということは、1日の法定労働時間の8時間を、1時間超えていますのでこの1時間について、割増賃金が必要となります。
割増賃金の計算は、割増率が2割5分増ですので、1,000円×1.25×1時間=1,250円となり、1,250円の割増賃金が必要となります。
ケースⒷ
では、次の事例を考えてみたいと思います。
今度は、休日である土曜日に1時間、休日労働した場合です。
前提条件として、日曜日が、法定休日ですので、土曜日は、法定外休日となります。
就業規則に、法定外休日労働として、割増賃金規定を設ける場合も多々見られますが、ここでは、純粋に法定労働時間との関係でご説明していきたいと思います。
1日の労働時間が、8時間と言うことは、月曜日から金曜日までの5日間働くと、労働時間が40時間となり、ここで法定労働時間の限度時間に達してしまいます。
ですから、土曜日に1時間働くということは、週の法定労働時間を1時間超える形となります。
1週間の法定労働時間を超えた場合も、時間外労働の割増賃金が必要となりますので、この1時間に対する割増賃金は、1,000円×1.25×1時間=1,250円となります。
ケースⒸ
では、次に今ご紹介した2つのケースが同時に起こった場合、つまり水曜日に9時間労働をして土曜日に1時間 休日労働したケースの割増賃金を考えてみたいと思います。
まずに水曜日に9時間労働するということは、1日の法定労働時間である8時間を1時間超えていますので、その1時間に対して時間外労働の割増賃金が必要となります。
割増賃金の計算は、先程と同じです、1,250円が必要となります。
問題は、1週間の法定労働時間を超えた労働に対する割増賃金です。
このケースの場合、1週間の労働時間は、42時間となります。
ですから、1週間の法定労働時間を2時間超えているから、2時間分の割増賃金が必要と思われるかもしれません。
しかし、 水曜日の時間外労働の1時間については、既に割増賃金を計算していますので、このような場合において、1週間の法定労働時間を超えた時間外労働の割増賃金を計算する場合には、既に1日の法定労働時間を超えている時間については、控除する形となります。
従って、1週間の法定労働時間を超えた時間外労働時間を計算する場合には、水曜日ついては8時間とカウントしますので、1週間の労働時間は、トータルで41時間となり、割増賃金の対象となる1週間の法定労働時間を超えた労働時間は、1時間となります。
結果的に、このケースの法定労働時間を超えた時間外労働の合計は、2時間となり、割増賃金は、1,000円×2時間×1.25=2,500円となります。
割増賃金を計算する場合には、まず1日の法定労働時間を超えた分について割増賃金を計算します。
そして、次に1週間の法定労働時間を超えた分の割増賃金を計算しますが、その場合に既に1日の法定労働時間を超えて割増賃金が付与されている時間は、控除して計算する形となります。
そうしないと、割増賃金が二重に付与されることとなってきますので、ここは割増賃金を計算する場合において、重要なポイントとなりますのでご注意下さい。
ケースⒹ
では、次にさらに複雑なケースを考えてみたいと思います。
水曜日に9時間労働をして、土曜日に6時間休日労働をし、火曜日に4時間早退をしたケースの割増賃金を計算したいと思います。
先程もご説明したように、割増賃金を計算する場合には、まず1日の法定労働時間を超えた時間についてカウントしますので、水曜日の時間外労働1時間を計算します。
そして、次に1週間の法定労働時間を超えた時間を計算します。
この場合も、先程もご説明したように、1週間の法定労働時間を超えた時間外労働の割増賃金を計算する場合には、既に1日の法定労働時間を超えている時間については、控除する形となりますので、水曜日の労働時間は、8時間として計算します。
従って、1週間の労働時間は、42時間となります。
ですから、1週の法定労働時間を超えているのは2時間となります。
つまり、火曜日に4時間早退しているため、土曜日に6時間働いていますが、割増賃金が必要なのは2時間だけとなります。
土曜日の残りの4時間については、当然働いていますので、その時間に対する賃金は必要ですが、割増賃金は必要ないという形となります。
従って、このケースの時間外労働に対する賃金の計算は、
法定労働時間を超えての時間外労働が、水曜日の1時間と1週間の法定労働時間を超えた2時間の合計で3時間となり、割増賃金は、1,000円×3時間×1.25=3,750円となります。
以上のように法定労働時間を超えて労働した場合の、割増賃金の計算方法は、このような形となります。
実際には、他にも様々なケースが考えられますが、基本的な考えはこのような考え方となります。
繰り返しになりますが、ポイントとなるのは、割増賃金を計算する場合には、1日の法定労働時間を超えた分を先に計算して、その次に1週間の法定労働時間を超えた分を計算します。
ただし、その場合には、既に1日の法定労働時間を超えた時間に対して割増賃金が付与されている場合は、その時間は控除して計算をすることとなりますので、正しくご理解下さい。
月給制の割増賃金の計算方法
次に月給制の時間外割増賃金の計算方法をご説明したいと思います。
割増賃金において月給制の労働者の割増賃金を計算が、経営者にとって1番難しいかと思いますので、ここでもいくつかの事例をご紹介しながらご説明していきたいと思います。
ケースⒶ
最初に前提条件をお話したいと思います.
前提条件として、1日労働条件が8時間(始業時刻午前9時、終業時刻午後6時、休憩1時間)月の平均労働時間が、173.3時間で、割増率を2割5分増とします。
月給制の割増賃金を計算する場合に、月の平均労働時間という考え方が、非常に重要なポイントとなります。
月の平均労働時間については、こちらの動画の中(12分50秒付近から)でご説明していますので、是非ご覧いただければと思います。
⇒ https://youtu.be/dn101ubEWJ4
さらに、この前提に、ケースⒶでは労働者の賃金が、基本給20万円、資格手当1万円とします。
そして、このような労働条件の労働者が、午後6時から1時間の時間外労働をした場合の割増賃金を計算してみたいと思います
月給制の割増賃金を計算する場合は、最初に支払っている賃金を時給額に換算する必要があります。
賃金を時給額に換算する場合には、原則基本給以外に手当等が支払われている場合には、その手当等の額も合わせて時給額に換算します。
今回のケースでは、基本給が20万円と資格手当 1万円ですから、合計21万円を時給額に換算します。
時給額の換算方法は、賃金額を月の平均労働時間で割ります。
21万円を173.3時間で割ると、210,000円÷173.3時間=1211.77…円となります。
1211.77…円が、時給額に換算した金額となります。
なお、円未満の端数処理につきましては、労働基準法で、50銭未満は切り捨て、50銭以上は切り上げと定められていますので、1,212円が割増賃金を計算する際に用いる、時給額に換算した金額となります。
そして、今回のケースでは、午後6時から1時間、時間外労働したので、法定労働時間の8時間を1時間超えている形となりますので、割増賃金が必要となります。
割増率が、2割5分増ですので、割増賃金は、1,212円×1時間×1.25=1,515円となります。
ケースⒷ
では、ここではケースⒶの賃金条件に、家族手当が1万円払われていて、合計で22万円支給されている場合で、1時間法定労働時間を超えて時間外労働した場合の割増賃金を計算したいと思います。
先程、割増賃金を計算する場合、基本給以外に手当等が支給されている場合には、その手当等を含んで計算するとご説明しました。
この考え方が原則となるのですが、労働基準法では、例外規定として、家族手当、住宅手当 通勤手当等について一定の条件を満たしている場合には、賃金総額から控除して割増賃金を計算することができると規定しています。
今回のケースで支給されている家族手当が、控除できる条件を満たしている場合には、賃金の支給額は22万円ですが、割増賃金を計算する際には、基本給と資格手当の合計で計算すれば良い形となります。
従って、割増賃金の計算方法は、先程のケースⒶと同じ形となります。
つまり、支給している賃金の額は違いますが、割増賃金の金額は、ケースⒶと同じとなります。
ケースⒸ
では、次の事例を考えてみたいと思います。
基本給は、ケースⒶと同じで20万円で資格手当が1万円で、ある日1時間が遅刻をして、午後6時間2時間時間外労働した場合の割増賃金を計算したいと思います。
最初にこれまでと同様に、支給されている賃金額を時給額に換算します。
これは、ケースⒶ同様、1,212円が時給額に換算した額となります。
今回のケースで考えなければいけないのは、1時間遅刻をしているということは、終業時刻の6時までの労働時間は、7時間ということになります。
ですから、午後6時から2時間の時間外労働した場合、午後6時から午後7時までの1時間は、法定労働時間内に収まっています。
つまり、午後6時から午後7時までの1時間の時間外労働に対して賃金の支払いは当然必要ですが、割増賃金は必要ないこととなります。
従って、午後6時から午後7時までの時間外労働に対する賃金は、1,212円×1時間=1,212円となります。
そして、午後7時から午後8時までの1時間の時間外労働は、1日の法定労働時間の8時間を超えていますので、割増賃金が必要となり、割増賃金額は、1,212円×1.25×1時間=1,515円となります。
従って、午後6時以降の時間外労働に対する賃金は、1,212円+1,515円=2,727円となります。
ケースⒹ
では、今度は労働者に払う給料が、月給と時給というようにいくつかの支給形態が混在しているケースで割増賃金の計算方法を考えていきたいと思います。
このようなケースは、複雑で一見難しそうに思えますが、考え方は、これまでご説明したことが基本となり、考え方が理解できれば、決して難しくはありませんので、一緒に考えていきたいと思います。
前提条件として、労働者の賃金が、時給1,000円で資格手当が月額10,000円支給されていて、1日の労働時間が8時間とし、月の平均労働時間が173.3時間、割増率は2割5分とします。
このようなケースで、法定労働時間を1時間超えて時間外労働した場合の、割増賃金を計算していきたいと思います。
このケースのように、労働者に払う賃金が、時給と月給というように、支給形態が2つに分かれている場合であったとしても、考え方はこれまでと同じように、支給されている賃金をまず時給額に換算するところから始めます。
時給額に換算するわけですから、基本給に関しては、時給なので、その額をそのまま使うこととなります。
そして、資格手当10,000円が、月額で支給されているので、時給額に換算する必要があります。
計算方法は、これまで計算した事例と考え方が同じで、資格手当10,000円を、月の平均労働時間 173.3時間で割ります。
10,000円÷173.3時間=115.40円となり、50銭未満は切り捨てとなりますので、115円が資格手当、月額1万円を時給額に換算した額となります。
従って、割増賃金を計算する基となる時給額は、基本給の時給額1,000円と、資格手当月額10,000円を時給額に換算した115円を足して1,115円となります。
結果的に、時間外労働の割増賃金は、1,115円×1.25×1時間=1,393円75銭となり、50銭以上切り上げですので、1,394円が割増賃金額となります。
今回のようなケースは、一見複雑に思えるかもしれませんが、基本的な考え方は同じとなりますので、理屈が分かれば、決して難しくないと思います。
深夜労働の割増賃金
次に深夜労働の割増賃金を考えてみたいと思います。
実はこの深夜労働の割増賃金に関しては、多くの経営者が誤解しているところでもあります。
労働基準法で、深夜というのは、午後10時から翌日の午前5時までの時間を言います。
この時間に労働者を労働させた場合には、深夜労働の割増賃金が必要となります。
今回のケースでは、労働条件が、始業時刻が午前9時で、終業時刻が午後6時(休憩時間が1時間)で、時給額を1,000円とします。
このようなケースで午後6時から午後11時まで5時間、時間外労働をしたとします。
1日の労働時間が8時間ですので、終了時刻の午後6時以降は法定労働時間を超える形となりますので、時間外労働の割増賃金が必要となります。
さらに、午後10時から午後11時までの1時間は、深夜の時間帯となりますので、その1時間については、深夜労働の割増賃金も必要となります。
では、実際に割増賃金を計算してみたいと思います。
なお、割増率は時、間外労働も深夜労働も2割5分を使うこととします。
ところで、このようなケースの割増賃金の計算方法ですが、実は2通りの考え方があります。
どちらの計算方法で計算しても良いのですけど、1つずつ説明したいと思います。
まず1つ目の計算方法は、午後6時から午後10時までの5時間分の割増賃金を計算します
なぜ午後10時までかと言うと、午後10時までは深夜労働の割増賃金が発生しないからです。
午後10時までの4時間は、時間外労働の割増賃金だけとなります。
計算方法はこれまでご説明した通りで、1,000円×4時間×1.25=5,000円となります。
次に午後10時から午後11時までの1時間の割増賃金を計算します。
午後10時から午後11時も時間外労働ですから、割増賃金の計算は、1,000円×1時間×1.25となります。
そして、午後10時から午後11時までは、深夜の時間帯となりますので、深夜労働の割増賃金を加算する必要があります。
深夜労働の割増率0.25を1.25に加算します。
従って、午後10時から午後11時までの1時間の割増率は、1.5となります。
ですから、午後10時から午後11時までの割増賃金は、1,000円×1時間×1.5=1,500円となります。
結果的に午後6時間から午後11時までの割増賃金は、合計で6,500円となります。
では、もう1つの計算方法をご説明したいと思います。
今度は、最初に時間外労働を全て、つまり午後6時から午後11時までの時間外労働の割増賃金を最初に計算します。
午後6時から午後11時までは5時間ですので、割増賃金は、1,000円×5時間×1.25=6,250円となります。
そして、次に午後10時から午後11時までの深夜労働の割増賃金を計算します。
この時、注意しなければいけないが割増率です。
割増率は、0.25を使う形となります。
なぜ、0.25となるかと言うと、午後10時から午後11時までの1時間については、通常の賃金は、先程計算した時間外労働の割増賃金で支払っています。
ですから、午後10時から午後11時までについては、深夜労働の割増分だけを支給すれば良いこととなります。
ですから、割増賃金は、1,000円×1時間×0.25=250円となります。
従って、割増賃金の合計は、6,250円+250円=6,500円となり、当然ですが、1つ目の計算と同じ金額になります。
今回のケースのような場合は、どちらの計算方法で計算しても良いのですが、大切なことは計算式の意味をしっかり理解することです。
実は、2つ目の計算方法は、これかお話する次のケースの考え方にも関係してきますので、是非正しくご理解下さい。
では、深夜労働の割増賃金について、もう1つ事例を考えていきたいと思います。
今度は、前提条件を少し変えて、ある労働者の労働条件が、始業時刻が午後1時で、終業時刻が午後7時で休憩時間無しの6時間労働で、時給1,000円とします。
このケースで通常の勤務をすれば、1,000円×6時間=6,000円支給されます。
その労働者が、たまたま何らかの理由で勤務時間が変更になり、午後6時から午前0時まで労働した場合の割増賃金を考えてみたいと思います。
今回のケースは、あくまでも勤務時間が変更になっただけですから、時間外労働が発生しているわけではありません。
ですから、基本給は、先程と同じ1,000円×6時間=6,000円となります。
しかし、午後10時から午前0時までの2時間は、深夜労働となります。
ですから、午後10時から午前0時までの労働に対しては、深夜割増が必要となります。
この場合の深夜割増の計算方法ですが、割増率は、0.25を使うこととなります。
通常の賃金に対しては、基本給として支給されていますので、深夜割増賃金として計算するのは、あくまでの割り増し分の0.25だけで良いこととなります。
従って、1,000円×2時間×0.25=500円の深夜労働の割増賃金が必要となります。
つまり、午後1時から午後7時までと、午後6時から午前0時まで同じ6時間働きますが、午後6時から勤務した場合は、深夜労働の割増賃金500円を加算する必要があります。
このように、深夜労働の割増賃金とは、どんな場合であっても、深夜時間に労働したら、支払いが必要となってきます。
ところで、深夜労働の割増賃金を計算する場合の割増率を1.5と勘違いされている方が結構います。
これは、先程も説明しましたように、時間外労働が深夜に及んだ場合には、1.25+0.25=1.5となるため、そのように思われてしまうのですが、あくまでの深夜割増率は、0.25だけとなります。
しかし、深夜労働の割増賃金は、通常の労働が深夜に及んだ場合にも支払いが必要なります。
もし、深夜労働の割増率を1.5として計算してしまうと、先程の午後6時から午前0時まで6時間労働した場合の深夜労働の割増賃金が、1,000円×2時間×1.5=3,000円となり、本来は500円でよかったはずの割増賃金を2,500円も多く支払ってしまうこととなりますので、正しくご理解していただければと思います。(なお、割増率1.5を使っても法律の基準を上回っているので、法律違反にはなりません。)
休日労働の割増賃金
最後に休日労働の割増賃金についてご説明したいと思います。
労働基準法では法定休日に労働者に労働させた場合に、最低でも3割5分増の割増賃金を支払わなければいけないとしています。
ここでは、時給1,000円の労働者に法定休日に午後12時から午前0時まで休日労働をさせ場合の割増賃金を計算していきたいと思います。
なお、割増率は3割5分を使用し、午後4時から1時間の休憩を取ったとします。
今回のケースでは、実労働時間は、11時間となります。
実は、このようなケースの割増賃金に関して、誤解している経営者が結構います。
労働時間が、11時間ということは、1日の法定労働時間の8時間を超えています。
ですから、8時間を超えている3時間について時間外労働の割増が必要と思われ、割増率は、1.35+0.25=1.5で計算すると思われる方が多いのです。
しかし、法定休日は、休日ですから元々働くべき時間が決まっているわけではありません。
休日労働の場合は その全てが休日労働です。
つまり、休日労働が、仮に8時間を超えたとしても、時間外労働の割増賃金に必要な割増率を加算する必要はありません。
ただし、注意しなければいけない点は、午後10時から午前0時までの2時間に関しては、深夜労働となります。
先程ご説明したように、深夜労働の割増賃金は、どんな場合であったとしても支払いが必要となります。
ですから、休日労働であったとしても、その休日労働が深夜に及んだ場合には、当然深夜割増賃金が必要となります。
従って、午後10時から午前0時までの2時間については、深夜労働の割増率が加算されます。
深夜労働の割増率を2割5分としますと、午後10時間から午前0時までの割増賃金を計算する場合の割増率は、1.35+0.25=1.6となります。
以上のように、休日労働の割増賃金を計算する場合には、たとえ休日労働時間が、8時間を超えたとしても、割増率は、そのすべてが最低3割5分増以上の割増賃金で良いのですが、休日労働が深夜に及んだ場合には、深夜労働の割増率を加算する必要があります。
休日労働については、頭を悩ますところかと思いますが、是非 ご理解していただければと思います。
まとめ
今回は、割増賃金の計算について具体的な事例を基にご説明させていただきました。
割増賃金は正しく計算しないと、割増賃金の不払いや不足が生じてしまい、労働者が会社に対して不信感を持ってしまう原因にもなってしまいます。
ですから、割増賃金の計算を正しく行うことは、労務管理において非常に重要なポイントとなります。
実際、割増賃金の計算は、様々なケースが想定され非常に複雑で難しいところがあります。
しかし、基本的な考え方は、どのケースも同じなので、まず割増賃金の基本的な考え方を正しく理解することが重要ですので、今回のブログ是非今後のご参考になさって下さい。