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Q 有給休暇の計画的付与とはどのような制度でしょうか?

2019年7月28日

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【質問】

 

平成31年4月より有給休暇の5日取得義務が法律化され、当社としても有給休暇の取得率向上に取り組む必要があると考えています。

 

そんな中、インターネットを調べていたら、有給休暇の取得率の向上を図る1つの方策として、有給休暇の計画的付与がありました。

 

有給休暇の計画的付与は、名前だけは聞いたことがあるのですが、制度を導入するには、どのような手続きを取れば良いのでしょうか?

 

 

【回答】

 

有給休暇の計画的付与は、労働者の過半数を代表する者等と書面による協定(労使協定)を結ぶことにより、有給休暇を計画的に割り振る制度です。

 

ただし、有給休暇の計画的付与の対象となるのは、付与日数のうち5日を超える分だけとなります。

 

 

【解説】

 

日本における有給休暇の取得率の低さは長年の課題であり、そのため、平成31年4月1日より働き方改革の一環として、有給休暇の5日取得義務が法律化されました。

 

従って、ご質問にもありますように、経営者は有給休暇の取得向上に否応なしに取組む必要があります。

 

 

そして、その対策の1つと言われているものに、有給休暇の計画的付与があります。

 

有給休暇の計画的付与とは、予め特定の日を休日にして、そこに有給休暇を計画的に振り分けていく制度です。

 

例えば、土曜日、日曜日が休日の会社で、8月11日が土曜日、8月12日が日曜日で、8月14日から16日が夏季休業を予定している会社が、8月13日と8月14日を有給休暇の計画的付与により労働者に有給休暇を取得させれば、8月17日、18日も土曜日、日曜日で元々休日なので、結果的に9連休とすることができます。

 

また、木曜日が祝日の場合、金曜日を計画的付与で有給取得日に吸えば、4連休とすることができます。

 

 

このように、有給休暇を計画的に振る分けることにより、長期休暇の状態を作ることができ、労働者も疲労回復や身体のリフレッシュを図りやすくなり、また予め有給休暇を取得する日が決まっているため、労働者はためらいやうしろめたさを感じることなく有給休暇を取得することができます。

 

ただし、有給休暇の計画的付与については、労働基準法によっていくつかの制限が規定されています。

 

 

まず、有給休暇の計画的付与は、会社が一方的に行うことはできず、労働者の過半数を代表する者等の書面による協定(労使協定)が必要となります。

 

ところで、有給休暇の計画的付与は、必ずしも会社全体の休業による一斉付与する必要はなく、労働者をグループ分けして、グループごとに有給休暇を取得する日が異なっても問題ありません。

 

労使協定では、どのような形で有給休暇の計画的付与を行うかの具体的な内容を協定することとなります。

 

なお、有給休暇の計画的付与に関する協定は、労働基準監督署に届出る必要ありません。

 

 

さらに、有給休暇の計画付与の重要なポイントですが、計画的付与は、労働者に付与されている有給休暇の全ての日数を対象とことはできず、付与されている日数のうち5日を超えた分に限られます。(なお、付与されている日数には、繰り越し分も含まれます。)

 

つまり、5日間だけは、労働者が自由に使える権利を残しておく、という趣旨です。

 

 

例えば、有給休暇の付与日数が8日の労働者の場合には、計画的付与の対象とすることができるのは、3日間だけとなります。

 

また、付与日数が4日しかない労働者は、そもそも計画的付与の対象とすることができなくなります。

 

ですから、計画的付与を行う場合には、労働者の付与日数も考慮して決める必要があります。

 

 

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【ここがポイント】


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ところで、有給休暇の計画的付与を行う場合に必ずと言っていいほど1つ問題となる点があります。

 

ご存知のように有給休暇は、一定の条件を満たした場合に入社後6ヶ月を経過後に初めて付与されます。

 

ですから、例えば、ゴールデンウィーク中に計画的付与を行おうとした場合に、その年の4月に入社した労働者は、まだ有給休暇が付与されていないこととなります。

 

 

有給休暇の計画的付与は、全労働者を対象とする必要な無いので、有給休暇が付与されていない労働者を対象から外すこと自体、法律的に問題はありません。

 

ですから、有給休暇が付与されていない労働者について、計画的付与の予定日に出勤させることは可能です。

 

しかし、ほとんどの労働者が休業している事業所に数名のみ出勤させるのも、現実的には不可能な場合もあります。

 

そのため、計画的付与を行う場合に、有給休暇が付与されていない労働者については、有給の特別休暇の付与等の優遇措置を取らざる得ないと言えます。

 

 

最後に、もし、有給の特別休暇等を付与しなかった場合について法律的な面からお話ししたいと思います。

 

本来、有給休暇は労働日に取得できるものですので、計画的付与の予定日は、元々は通常の労働日であるのが前提となります。

 

ですから、計画的付与の対象とならない労働者は、その予定日に労働する権利を有します。

 

 

しかし、業種によっては、計画的付与の対象とならない労働者を出勤させ労働させることも可能ですが、例えば、製造業等で製造ラインが停止していて、それが不可能な場合もあります。

 

もし、計画的付与の予定日に、計画的付与の対象とならない労働者の労働者が困難な場合には、会社は、それらの労働者に対して休業を命じざる得ないこととなります。

 

となると、労働基準法第26条で定められている、休業手当の支払い原則必要となってくると考えられます。

 

 

有給休暇の5日取得義務化により、有給休暇の計画的付与は取得促進に有益な面がある一方、有給休暇が付与されていない労働者の取扱い等予め解決しておく問題もありますので、是非、ご注意下さい。

 

 

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