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Q 有給休暇の繰り越しの計算方法について教えて下さい

2019年7月21日

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【質問】

 

平成31年4月より、有給休暇5日間の取得が義務化され、有給休暇に関して質問してくる社員が増え、関心が高まっているように感じます。

 

会社としても有給休暇について正しい知識を習得しようと思っているのですが、有給休暇の繰り越しの計算方法がよくわかりません。

 

有給休暇の繰り越しはどのように計算すればよいのでしょうか?

 

 

【回答】

 

有給休暇の取得請求の時効は2年間なので、翌年度に限り繰り越すことができます。

 

 

【解説】

 

有給休暇の繰り越しについては、労働基準法で規定が定められています。

 

有給休暇の取得の請求は、2年間が時効と定められていますので、結果として翌年度に限り繰り越すことができます。

 

文章で書くと何のことかよくわからないかと思いますが、決して難しい計算方法でないので、具体的な数字を基にご説明していきたいと思います。

 

有給休暇は、入社後6ヶ月を経過後に初めて付与され、以降1年を経過後毎に毎年新たに有給休暇が付与されています。

 

基本的な付与日数は、以下の表のように入社が6ヶ月経過後に10日付与され、それ以降は、1年経過毎に11日、12日と付与されています。(出典:厚生労働省)

 

   付与日数.jpg

 

また、パートタイマー等、週の労働日数等及び週の労働時間が短い労働者で比例付与に該当する場合には、下記の表の通り、基本的な日数より労働日数等に応じて比例付与により少ない日数が付与されます。(出典:厚生労働省)

 

  比例付与日数.jpg

 

なお、比例付与についての詳しい内容につきましては、是非、こちらのブログをお読み下さい。

 

>>パートタイマー等の有給休暇の付与日数等について

 

 

では、上記の表を使って、有給休暇の繰り越しの計算方法についてご説明したいと思います。

 

例えば、令和1年5月1日入社した比例付与に該当しない労働者は、6ヶ月経過後の令和1年11月1日に10日の有給休暇が付与されます。

 

さらに、1年経過後の令和2年11月1日に新たに11日の有給休暇が付与されます。

 

この時に、この労働者が令和1年11月1日に付与された10日の有給休暇を1日も取得せずに、令和2年11月1日を迎えた場合には、この時点で10日の有給休暇の権利が消滅するわけではなく、さらに、1年間権利を行使することができます。(つまり、翌年度に繰り越すことができます。)

 

 

つまり、令和2年11月1日時点では、繰り越しの分の10日と新たに付与された11日と合計で21日の有給休暇を向こう1年間の間に21日の有給休暇の取得の権利があることとなります。

 

さらに、1年間経過後の令和3年11月1日新たに12日の有給休暇が付与されます。

 

この時点で、最初(令和1年11月1日)に付与された10日の有給休暇の取得は、時効で消滅することとなります。

 

 

しかし、令和2年11月1日に付与された11日の有給休暇が、繰り越されることとなるので、もし、前年も1日も有給休暇を取得しなければ、繰り越された11日と新たに付与された12日の有給休暇とで合計23日の有給休を向こう1年間に取得できる権利があることとなります。

 

以降、同じような考え方計算していきます。

 

なお、有給休暇の付与日数の上限は20日ですので、繰り越し分を合わせても、有給休暇の権利日数は最大で40日となります。

 

 

ところで、これまでは、有給休暇を消化しないという前提でご説明してきましたが、実際には、有給休暇を消化する労働者も多数います。

 

例えば、先ほどの例のように、令和2年11月1日に、繰り越し分の有給休暇と新たに付与された有給休暇を保有している労働者が、令和2年12月1日に有給休暇を取得した場合、繰り越し分の有給休暇10日の中から取得したのか、新たに付与された11日の中から取得したのか、疑問が出て来るかと思います。

 

どちらかによって次の基準日の有給休暇の日数が違ってきます。

 

実は、ここに関しては法律に定めがないので、繰り越し分、新規付与分どちらから先に取得したことにしても良いとされています。

 

ただ、どちらにするかによって、労働者にとって有利不利が出るため、会社内のルールととして就業規則等に明記しておくと良いでしょう。

 

 

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【ここがポイント】

 

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さて、今回ご説明したように、有給休暇の請求時効は2年間なので、次年度に限り繰り越しができ、その間に取得できなかった有給休暇は時効によって消滅してしまいます。

 

ところで、現在のわが国の有給休暇の取得率からみれば、実の多くの有給休暇の権利が消滅していることかと思います。

 

ですから、労働者からすれば、権利が消滅してしまう有給休暇の権利を買取って欲しいと思われるのもある意味当然かと思います。

 

 

ところで、有給休暇の権利を買取ることは、労働者にとって、決して不利になることではありません。

 

労働関係の法律は、通常は、労働者の労働条件の最低限を定めているものですから、法律以上の規定をむしろ奨励しています。

 

 

しかし、有給休暇の買取については、法律ではこれを認めていません。

 

というのは、有給休暇の本来の目的は、仕事から離れ、実際に心身を休めてリフレッシュするところにあります。

 

ですから、もし、有給休暇の買取を認めてしまうと、本来の趣旨を阻害してしまう可能性があります。

 

そのため、有給休暇の買取を労働者が要求しても、それに応じる必要はないこととなります。

 

 

ただし、退職時に限っては有給休暇の買取をしても差支えないとされています。

 

退職時の有給休暇の買取についてはこちらのブログを是非、お読み下さい。

 

>>Q4 意外!退職時は有給休暇を買取った方がメリットが多い・・・?

 

 

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