就業規則と労働基準法② ~休日について~
就業規則を作成す場合、労働基準法等の法律の制限を受ける項目がいくつかあります。
主なものとしては、労働時間、休憩、休日、有給休暇等が挙げられます。
これらの項目について就業規則に定める場合には、当然、法律の基準に沿った内容にする必要があります。
そのため、就業規則を適正なものとするには、これらの法律の規定について正しく理解する必要があります。
ここでは、休日について、法定労働時間との関係も踏まえてお話ししたいと思います。
1週の労働時間が、法律の基準を満たす休日の設定が必要です
就業規則において、休日は必ず記載しなければならない、いわゆる労働基準法で定められた「絶対的必要記載事項」となります。
絶対的必要記載事項についてはこちらのブログをお読み下さい。
>>就業規則の根本!絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項とは?
休日は、労働基準法で、「会社は、従業員に対して、最低でも1週間に1日又は4週間に4日の休日を与えなければならないとされています。
しかし、休日に関して就業規則に規定する場合、法定労働時間との関係を考える必要があります。
法定労働時間とは、会社が従業員に労働させることが出来る上限時間のことを言い、法律では、1日8時間で1週間40時間(特例の事業所は除きます。)
とされています。
となると、もし、1日の労働時間を8時間と決めた場合、労働基準法で定められている1週間に1日だけしか休日を与えないと、結果的に6日間、働くこととなるので、8時間×6日=48時間、働くこととなり、1週40時間の法定労働時間を超えてしまいます。
従って、1日の労働時間が8時間の会社では、完全週休2日制としなければ、法律基準を満たすことができなくなります。
つまり、休日に関しては、法律を上回る基準にする必要が生じる場合がほとんどと言えます。
ところで、中小企業においては、完全週休2日制を導入するのは、なかなか難しいのが現状です。
従って、労働時間については、変形労働時間制という制度が定められています。
変形労働時間制についての詳しい説明は、ここでは省略させていただきますが、簡単に言うと、ある時期は休日が法律の基準より少ないが、ある時期には、法律の基準より多い休日を設定することで、平均すれは、労働時間を1週、40時間以内に収めるという制度です。
また、変形労働時間制は、年間を通じて1週間の労働時間を40時間以内に収めるやり方だけでなく、1ヶ月間を単位にして、週によって休日の日数を変えたり、週によって1日の労働時間に変化を付けたりして、週の労働時間を、法律の基準内に収める方法もあります。
変形労働時間制については、こちらのブログをお読み下さい。
>>Q145.変形労働時間制とは?(オフィスまつもとブログ 経営者応援.com)
いずれにしても、完全週休2日制が取れない会社は、何らかの変形労働時間制を使って、1週間の労働時間を法定労働時間内とする必要があります。
このように労働時間と休日は、密接に関連していて、就業規則を作成する場合には、法律の基準を満たすような内容で記載する必要があるので、非常に注意が必要となります。
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