Q 月給制の退職者等の日割り計算の方法は?
【質問】
当社ではこの度初めて月給制の正社員を中途採用しました。
入社日を給料計算日の初日にすれば良かったのですが、事情で給料計算期間の途中での入社となりました。
このような場合、どのように給料を日割り計算すれば良いのでしょうか?
【回答】
中途採用者の日割り計算につきましては、法律に特別の規定はないので、合理的な計算方法であればどのような計算方法でも良いのですが、月の平均労働日数を用いて計算方法が一般的と言えます。
【解説】
意外に思われるかもしれませんが、給料の日割り計算については、法律的に特別規定が定められてはいません。
そのため、合理的な計算方法であれば、どのように計算しても良いとされています。
合理的な計算方法の1つに、その給料期間の実労働日数で計算する方法があります。
ただし、実労働日数で計算すると、実労働日数の多少によって、同じ給料月額でも、入社日によって日割り額が異なってきます。
もちろん、それでも法律的には問題ないのですが、ただ従業員にとっては、不公平感が残ってしまいます。
そのため、月の平均労働日数を用いて計算するのが無難と言えます。
月の平均労働日数とは、365日から年間休日を差し引いて12ヶ月で割ります。
例えば、年間の休日日数が110日でしたら、(365日-110日)÷12ヶ月=21.25日が月の平均労働日数となります。
月の平均労働日数を使って日割り計算する場合には、給料期間中の労働日数が何日であれ、月給額を月の平均労働日数(上記の場合には21.25日)で割れば、1日当たりの給与額が算出されます。
そして、その額に実際に勤務した日を乗じた額が、日割り給与額となります。
例えば、月給額が150,000円で月の平均労働日数が21.25日で、入社後10日出勤していた場合には、150,000円÷21.25日×10日=70,589円が日割り給与額となります。
ところで、給与期間中の労働日数を用いて計算する方法も、月の平均労働日数を用いて計算する方法もどちらも合理的な計算方法ですが、従業員ごとに計算方法を変えるのは、逆に合理性に欠けることとなりますので、ご注意下さい。
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【ここがポイント】
ところで、日割り計算に関してよく質問を受けるのが、手当が支給される場合、その手当を日割りするか否かです。
実は、手当の日割りについても法律に特段の定めはないのです。
ですから、手当を日割りするか否かは、会社の判断となります。
ここは手当について会社がどう考えるかによって違ってくると言えます。
例えば、家族手当の場合、家族手当が家族の存在によって支給されるものなら、日割り計算しない考えとなりますが、1ヶ月の手当額で家族を養うものという趣旨のものでしたら、日割り計算するという考えも妥当性があります。
ただ、どの手当を日割り計算して、どの手当を日割り計算しないのかは、会社のルールとして明確にしておく必要があるので、就業規則にしっかりと定めておくことが重要と言えます。
なお、手当の日割り計算については、欠勤控除や遅刻早退控除する場合も同じ考え方となりますので、ご参考になさって下さい。
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