業種別 就業規則作成のポイント・注意点〈飲食店編〉

就業規則を作るとき、テンプレートなどを参考にされる方も多いですが 「これはうちの業界だと合わないよなぁ・・・」 と悩んでしまうこともあると思います。

 

でも業種ごとのテンプレートはなかなかありません。

 

そこで、就業規則作成のポイント・注意点などについて 業種ごとにまとめたシリーズを作りました。

 

今回は飲食店編です。

パートタイマー、アルバイト等の規定が重要です

飲食店の就業規則を作成するポイントをお話しする前に、是非覚えておいていただきたいポイントがあります。

 

労務管理において最も重要な法律に労働基準法があります。

 

労働基準法では、労働時間や休日、休憩等について様々な規定が定められていますが、基本的に業種によって特別な取扱いをしていません。

 

ただ、一部、運送業の労働時間について特別な取扱いが通達によって規定されていますが、それ以外は、飲食店でも病院、製造業であっても同じ適用を受けます。

 

 

ところで、飲食業界は、人手不足で、また営業時間が長いということもあってどうしても長時間労働になってしまいます。

 

ただ、「飲食業界こういうものだ」と思われている経営者の方が多いのですが、先程も言いましたように、飲食店であっても労働基準法は厳格に適用されます。

 

従って、どんなに人手不足であっても、法定労働時間や休日、休憩の法律規定は適用されますし、法定労働時間を超えてさせた場合や休日労働させた場合には、法律に規定された割増賃金の支払いが必要となります。

 

ですから、就業規則を作成する場合には、まず法律がどのようになっているかを正しく理解することが重要となってきます。

 

 

ところで、飲食店の場合、慢性的な人手不足となる業種でもありますので、どうしても、パートタイマーやアルバイト等の労働者の力が不可欠となります。

 

ですから、飲食店ではパートタイマーやアルバイトが安心して働くことができ、労働意欲やモチベーションが上がるような会社のルール作りも重要なポイントと言えます。

 

 

あと、飲食店で、従業員が業務中に食器を割った場合や、料理を駄目にしてしまった場合にその全額を弁償させる規定を時々見かけます。

 

しかし、労働基準法では予め賠償額を定めることは禁止されています。

 

つまり、従業員が会社の設備や備品等を破損した場合に、その過失に相当する賠償額を求めることは問題ないのですが、「設備や備品等を破損した場合には損害額の全額を支払う」というように、予め賠償の金額を定めておくことは、労働基準法に違反してしまうこととなります。

 

この点につきましては、誤った認識を持たれている経営者の方が多いのでご注意下さい。

 

 

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就業規則は、作ることだけが目的となってしまいがちです。

 

しかし本当に大切なことは、 実際にどのように運用していくのか、 法改正・会社の実情などにどのように合わせていくのか、 ということです。

 

作成しただけできちんと運用していなかったり、 法律や実情に対応していないまま放置していると、 労働基準監督署からの指導が入る恐れがあるだけでなく、 社員から多額の賠償金・残業代請求などがされ 経営が危うくなる可能性があるのです。

 

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