Q 助成金の財源には一体何のお金が使われているんですか??
【質問】
先日、同業者の社長から助成金の話を聞きました。
その会社では、これまで何回も助成金をもらったことがあるようで、その社長が「助成金の財源は、自分達が支払っているお金だから、利用できる時に利用しないのは勿体ない。」というようなことを言っていました。
確かに、助成金の財源を私達が負担しているなら、利用できる時に利用しないのは勿体ないと思いますが、特別、助成金のためのお金を支払っている意識はありません。
助成金は、私達が支払っているお金が使われているとは、どういうことなんでしょうか?
【回答】
助成金は、企業が負担している雇用保険料の一部が財源として使われています。
【解説】
雇用保険事業の一環として行われている助成金は、雇用機会の維持及び増大を図った企業に支給されるものです。
助成金は、融資とは違うため返済する必要もなく、使用目的も問われないため、企業にとっては非常に魅力的な制度です。
しかし、助成金を利用している企業は、残念ながらまだまだごく一部の企業に限られているのが実情と言えます。
ところで、ほとんどの経営者の方に知られていないのですが、助成金は、企業が支払っている雇用保険料の一部が財源として使われています。
もし、民間の保険に加入していて、万一、事故や災害が起こった場合には、そのような事態のために保険に加入して保険料を支払っているわけですから、何の迷いもなく保険金を請求するかと思います。
もちろん、国の事業である助成金と民間の保険とを同じ視点で考えるのはどうかと思うところもありますが、保険料を負担している点では同じですので、ご質問の中にもありますように、助成金も利用できるのに利用しないのは、確かに勿体無いと言えます。
ところで、ご質問の中にもありますが、多くの経営者の方は、助成金のための費用を負担している意識がありません。
では、どのような形で企業は助成金の財源を負担しているのでしょうか?
下記の雇用保険料率表(出典:厚生労働省)を使って、具体的にご説明していきたいと思います。
なお、ここでは一般の事業(建設業、農林水産業、清酒製造の事業以外の事業)を対象としてご説明させていただきます。
上記表の右端の記載通り、平成31年度の一般の事業の雇用保険料は、9/1000となっています。
この9/1000の内、労働者が3/1000を負担し、残りの6/1000を企業が負担しています。(給料から控除する雇用保険料は、給料総額に3/1000を乗じた額を控除しているかと思います。)
そして、企業が負担している6/1000の内の3/1000と労働者が負担している3/1000は、失業等給付の財源として使われています。(よく失業保険をもらう、と言いますが、それは間違いで、正しくは失業等給付と言います。)
となると、企業が負担する3/1000が残ることとなります。
この3/1000は、雇用保険二事業の財源として使われています。(太枠で囲った部分)
そして、この雇用保険二事業の中に助成金制度があるのです。
なお、雇用保険二事業につきましてはこちらをご参照下さい。
>>雇用保険二事業について(厚生労働省)
この雇用保険二事業に対しての負担は、企業のみの負担となりますので、結果的に助成金の財源は、企業は負担している雇用保険料の一部が使われていることとなります。
▼就業規則の見直しをご検討の方はこちら
【ここがポイント】
先にも書きましたが、助成金は企業にとって非常に魅力的な制度であるにもかかわらず、ごく一部の企業にしか利用されていないのが実情です。
しかし、企業が助成金を利用できる機会は意外に多いものです。
実際、助成金は、約40種類程制度化されています。
詳しくはこちらをご覧下さい。
>>事業主の方のための雇用関係助成金(厚生労働省)
助成金を上手に活用することは経営の安定にも繋がりますので、是非、積極的にご活用いただければと思います。
ところで、助成金の活用が一部の企業に限られてしまう理由の1つに、助成金自体が多くの経営者に誤解されている点があると言えます。
誤解されたまま助成金を利用できないのは非常に勿体無いことと言えます。
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