業種別 就業規則作成のポイント・注意点〈建設業編〉
就業規則を作るとき、テンプレートなどを参考にされる方も多いですが 「これはうちの業界だと合わないよなぁ・・・」 と悩んでしまうこともあると思います。 でも業種ごとのテンプレートはなかなかありません。
そこで、就業規則作成のポイント・注意点などについて 業種ごとにまとめたシリーズを作りました。
今回は建設業編です。
安全衛生が最も重要な問題です
建設業の就業規則を作成する場合に気を付けなければならないポイントについてですが、その前提として労働基準法は、労働時間や休日、休憩時間等について特定の業種によって、特別の取り扱いをすることはありません。
一部、運送業の労働時間の管理について通達によって特別な管理方法が規定されていますが、どの業種であっても、一律に労働基準法が適用されます。
まず、その点を覚えておいていただければと思います。
さて、建設業の就業規則を作成する場合、考えなければならないポイントはいくつかありますが、安全衛生の問題が最も重要と言えます。
建設業の場合、どうしても労災事故の危険性が高いため、いかにして労災事故の発生を防ぐかを考える必要があります。
そのためには、極々当たり前のことですが、ヘルメットや安全靴の着用や作業時の安全確認といった基本的なことが重要となります。
ところで、基本的な事項については、「そんなことはいちいち言わなくてもわかっているだろう」と考えてしまう経営者の方が多くいます。
ところが、どんなに基本的な事項でも、会社のルールとして明確になっていなければ、従業員は、まぁ、少しくらい守らなくても大丈夫だろう、と思ってしまう場合が考えられます。
しかし、労災事故を防ぐには、基本的な事項を遵守することが最も効果が高いのです。
従って、ヘルメットや安全靴の着用や作業時の安全確認等を就業規則にしっかりと規定して、そして、朝礼や安全会議等で従業員に何度も周知させる、といった就業規則を基に社内のルール作りをすることが重要となってきます。
ルールというのは明文化されて初めて認識されるものです。
ですから、労災事故が起こらないための遵守事項については、就業規則にしっかりと明文化することが重要なのです。
あと、建設業の場合、従業員が自宅から直接建設現場に行くケースが多々見受けられます。
そのような場合の、現場にはタイムカード等は無いため、何らかの労働時間管理のルール化が必要となります。
現場リーダーが、その現場の従業員全員の労働時間を記録したり、パソコン等を使用したり、どのような方法でも良いのですが、会社は従業員の労働時間を管理する義務がありますので、必ず何らかのルール作りが必要となってきます。
逆に、現場への直行を禁止して、必ず会社に出社してから現場に向かう、というルールにするのも一案かと言えます。
確かに多少の不便さは生じるかもしれませんが、リスク管理の面から考えれば、会社のリスクを圧倒的に減らすことができると言えます。
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