各種規程作成のポイント④ パートタイマー就業規則について
社内規定を整備する場合、就業規則、賃金規程以外にも各種規程を作成する必要がある場合があります。
ここでは、各種規程を作成する場合の注意点を各規程ごとに解説していきたいと思います。
今回は、パートタイマー就業規則について解説してあります。
正社員とパートタイマーやアルバイトといった正社員以外の社員と労働条件や福利厚生面での待遇で差を設ける場合には、パートタイマー就業規則が必要となってきます。
今後、益々、パートタイマー就業規則が重要となってきます
「パートタイマー就業規則は、必要ですか?」といったご質問を受けます。
ところで、就業規則は、本来は、雇用している全ての従業員を対象として作成されるものです。
特に、法定労働時間や休憩、休日、有給休暇など、労働基準法に定められている事項については、正規社員だけでなくパートタイマーやアルバイトといった、いわゆる非正規社員についても適用されます。
しかし、いま挙げた労働基準法の制限を受けない事項に関しては、どのような扱いをするかは、基本的には、会社側の任意に任せられています。
例えば、「賞与」を例にしてご説明してみたいと思います。
「賞与」は、本来は、会社にその支払いの義務はありません。
ですから、賞与を全く支給しなくても法律上問題は全くありません。
ですから、その支払いの額や計算方法や支払いの対象となる従業員も、会社が、任意に決めることができます。
ですから、正社員とパートタイマー等で業務内容等が違えば、「賞与は、正規社員にのみ支払う」と決めることも可能です。
しかし、同じ会社で、賞与が支払われる従業員とそうでない従業員が混在するということは、明確なルールがなければ、トラブルの原因となりかねません。
ですから、賞与のように、正規社員とパートタイマー、アルバイトといった非正規社員との間で異なった取扱いをする場合に、何らかの形でそれを明確化する必要があります。
それが、パートタイマー就業規則となります。
ですから、逆に言えば、正規社員も非正規社員も同等な取扱いをするのであれば、パートタイマー就業規則は、必要ないと言えます。
ただ、現在の経済情勢では、今後、益々、パートタイマーやアルバイトの従業員の雇用が増えてくると予想されます。
先程、書きましたように、正規社員と非正規社員と同等の取扱いをするのであれば問題ないのですが、どうしても異なった取扱いをせざる得ない場合が生じると言えます。
そのような場合には、就業規則の他にパートタイマー就業規則を作成することが必要となってきます。
なお、働き方改革の一環として、同一労働同一賃金制度が、2020年4月より適用されます。
同一労働同一賃金では、職務が同じなら正社員とパートタイマーとの間で、基本給や賞与などのあらゆる待遇について、不合理な待遇差を設けることが禁止されるため、パートタイマーであっても、正社員と同じ職務の場合には、賞与の支給が必要となる場合がありますので、ご注意下さい。
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