労働時間 ~フレックスタイム制度~

【説明】
フレックスタイム制度は、始業及び終業の時刻を労働者自身が決定し、効率的に労働することを可能したものです。
【ここがポイント!】
大手企業等で用いられている、フレックスタイム制度ですが、これは始業及び終業の時刻を労働者自身が決定できる制度です。
つまり、労働者は何時に会社に来て、何時に帰社しても良いこととなります。
あらかじめ1ヶ月の労働時間を定めておき、1ヶ月間でその定められた労働時間数を労働すれば良いのです。
例えば、1ヶ月の総労働時間を160時間と決めたら、後は労働者の裁量で出勤退社の時間を決めることができ、最終的に1ヶ月間で160時間労働すれば良い事となります。
ただし、始業及び終業の時刻を全く労働者の自由に委ねてしまうと、業務に支障が出てくる場合が当然考えられます。
そのために、一部制限を設ける事ができます。
まず、必ず労働者が労働しなければならない時間帯を定める事ができます。
これをコアタイムと言います。
例えば、コアタイムを午前11時から午後2時と定めたら、労働者はこのコアタイムの時間は必ず労働しなければなりません。
なお、コアタイムは、必ずしも設定する必要はありませが、会議等を行う必要がある場合には、定める必要があると言えます。
また、始業及び終業の時刻を全くの労働者の自由に委ねてしまうと、真夜中に出社したり帰社することも可能となってしまいます。
もちろん、真夜中に出社、帰社しても別段問題無いのなら、それはそれで良いのですが、企業によっては防犯上等で不都合な点も考えられます。
そのため、労働者が、労働できる時間帯を設定することができます。
これをフレキシブルタイムと言います。
例えば、フレキシブルタイムを午前6時から午後9時としたら、労働者は、この時間帯のなかで始業及び終業の時刻を決定する必要があります。
つまり、始業時刻を午前7時、終業時刻を午後8時と決定することは、可能ですが、始業時刻を午前5時、終業時刻を午後10時と決定することはでき
ません。
ところで、フレックスタイム制度で、予め定められた1ヶ月の労働時間に対し、過不足が生じる場合があります。
例えば、1ヶ月の労働時間を166時間と定めてあった場合で、160時間しか労働できず、6時間の不足が生じたとすると、このような場合は、翌月
に6時間余分に労働することで、清算することができます。
つまり、月給20万円の場合では、160時間しか労働しないのに20万円支払う代わりに、翌月172時間働いても20万円だけ支払えば良いことと
なります。
しかし、逆に労働時間が172時間で6時間多く労働した場合は、翌月6時間少なく労働して清算することはできません。
つまり、予め定められた労働時間より多く労働した場合には、割増賃金を支払って、必ず当月で清算する必要があります。
これは、賃金全額払いの法律より、労働した時間に対してそのすべてを支払う必要があるためです。
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