労働トラブルを防ぐポイント⑪ ~労務管理についての取組み方~
【説明】
労働トラブルを防止するためには、特別高度な法律知識は必要ありません。
【ここがポイント!】
今回、労働トラブルを防ぐ上での労務管理に対する取組み方についてお話ししたいと思います。
私は、セミナー等で常々お話ししているのですが、労働トラブルを防ぐ上で重要なポイントは、雇用契約書の締結、退職届の提出など日常業務上重要な事項を当たり前に行うことです。
特別高度な法律知識などは、必要ないのです。
もちろん、解雇等のトラブルで裁判等で争うこととなったら、様々な知識が必要とはなってきますが、トラブを防止するという観点から考えれば、まず、必要なことを決められた通りに行い続けることが最も重要なポイントなります。
繰返しになりますが、労働者を雇用したら雇用契約書を締結し、パートタイマー等の非正規労働者との労働契約を更新時には、再雇用契約書を締結し、退職者が出た場合には、退職届を提出させ、賃金台帳や出勤簿、労働者名簿といった必要な帳票類を整備するといった当たり前のことを当たり前に行うことが労働トラブルを防ぐ上で最も重要なポイントなのです。
さらに、労務管理について別の視点からのお話ししたいのですが、「労働トラブルを防止するために」と言われると、少しネガティブなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、正しい労務管理は、「自分の会社は、しっかりしている」「労働者の権利もちゃんと認識してくれている」といったように、労働者に安心を与えます。人間は、その権利を行使できるかどうかは別として、権利を認めてくれた場合、非常に安心します。しかし、その反面、権利を認められない場合は、強い反抗心を持つところがあります。
ですから、労働者に安心を与えるということは、それだけ労働者の労働意欲の向上に繋がります。
このような、正しい労務管理を行うということは、トラブルを防止するといったネガティブな面だけでなく、今回お話ししましたようにポジティブな面も持ち合わせています。
従って、正しい労務管理は、経営的にみて、このような意味においても非常に重要ことと言えます。
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