Q 就業規則は正社員が10人以上の場合に必要ですか?
【質問】
当社では、現在、社員を15人程雇用しています。
その内訳は、正社員が6名で、パートタイマー、アルバイトが9名います。
就業規則は、社員数が10人以上になった場合に、作らなければならないと聞いたのですが、当社のように、正社員が6名の場合には、就業規則は、作る必要はないのでしょう?
【回答】
社員には、正社員だけでなく、パートタイマー、アルバイト等であっても、常時雇用される場合は、その数に含まれます。
【解説】
労働基準法では、「常時10人以上の労働者を使用する場合には、就業規則を作成し、所轄労働基準監督署に届出しなければならない。」とあります。
ところで、労働基準法では、正社員やパートタイマーといった区分をしているわけではなく、全て労働者として取り扱っています。
従って、「常時10人以上の労働者」には、正社員だけでなく、パートタイマーやアルバイトなどの労働者も当然に含まれます。
また、「常時10人以上」の常時ですが、これは、常に在籍する労働者数で判断します。
つまり、正社員やパートタイマーの内訳はともかく、雇用している労働者の数が、常に10人以上であれば、「常時10人以上」に該当することとなります。
ご質問のケースでは、常の在籍者数は明確ではありませんが、現在、15名程の社員を雇用しているようですので、通常は、一度に6名以上の労働者の入社と退社が頻繁に発生するとは考えにくいので、常時10人以上の労働者を雇用していると思われますので、就業規則を作成する必要があるかと言えます。
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【ここがポイント】
ところで、就業規則は、会社単位で作成するのではなく、事業場単位で作成します。
事業場とは、本社や支店、支社、営業所といった1つの組織単位と考えていただければよいかと思います。
そして、就業規則の作成の判断基準となる、常時10人以上の労働者も会社全体ではなく、事業場単位で判断されます。
ですから、今回のご質問で、もし、本社以外に支店ある場合で、社員数が、本社に11、支店に4名の場合には、本社のみが、就業規則を作成する必要があります。
ちなみに、本社が9名で、支店が6名の場合には、本社も支店も就業規則を作成する必要はないこととなり、結果として会社としても就業規則が無くても、法律的には問題ないこととなります。
ただし、法律的に作成義務はなくても、労働トラブルの防止や秩序ある職場環境の維持等の目的のためには、就業規則は必要と言えます。
なお、就業規則の届け出先は、事業場を管轄する労働基準監督署となっておりますので、例えば、本社が東京都で支店が神奈川県の場合には、それぞれの事業場を管轄する労働基準監督署に届出ることとなります。
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