Q 就業規則に勤務時間はどのように記載すれば良いでしょうか?

【質問】

 

当社では、社員数が10人になったため、就業規則を作成中です。

 

就業規則には、勤務時間を記載しなければいけないようですが、当社には、正社員以外にもパートタイマーやアルバイトが数名在籍していて、正社員と勤務時間が違い、社員によっては、日によって勤務時間も違います。

 

このような場合には、就業規則に勤務時間をどのように記載すれば良いですか?

 

【回答】

 

全ての勤務時間を記載できない場合には、基本的な始業、終業の時刻を記載すれば良いでしょう。

 

【解説】

 

労働基準法で、就業規則を作成した場合には、必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項を規定しています。

 

その中の1つに始業、終業の時刻があります。

 

ですから、就業規則を作成する場合には、必ず始業、終業の時刻(勤務時間)を記載する必要があります。

 

その場合、勤務時間が、一律に決まっていれば良いのですが、ご質問のように、社員によっては、勤務時間が違うや場合や日によって出勤、退社の時刻が違う場合もあります。

 

このような場合には、もちろん、全ての勤務時間を網羅するのが最も望ましいことですが、当然、全てを記載することが困難な場合もあります。

 

 

実際、このようなケースが多々起こり得るため、通達が出されています。

 

通達では、「就業規則には、基本となる始業、終業の時刻を定める」とされています。

 

通常は、正社員の勤務時間が、その会社では最も長い勤務時間となるかと思いますので、就業規則には、正社員の勤務時間を記載しておけば良いでしょう。

 

 

しかし、ご質問のケースのように、正社員とは違った勤務時間の社員もいるので、就業規則に記載されている勤務時間以外の社員については、個別雇用契約で定める等の規定を入れるなどして、包括的に対応できるようにしておけば良いかと思います。

 

 

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【ここがポイント】

 

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就業規則における始業、終業の時刻(勤務時間)の記載は、労働基準法の基準を満たすという観点ももちろん重要ですが、それよりも社員が、「いかに誤解しないか」という視点で記載した方が良いと言えます。

 

ですから、必ずしも基本的なパターンだけでなく、それ以外にいくつかのパターンを記載した方が、社員がわかりやすい、と考えるのであれば、必要なパターンを記載すれば良いでしょう。

 

 

労働基準法では、最低1つの始業、終業の時刻が記載されてさえいれば、それで法律の基準は満たすので、後は、社員が誤解を持たないような記載内容にすれば良いかと思います。

 

 

なお、勤務時間については、労働基準法で定められている、法定労働時間や休憩時間、休日等の法律の基準を満たしている必要がありますので、法律の観点から注意することも必要ですので、ご注意下さい。

 

 

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