出張時の労働時間について
【説明】
出張時は、自宅を出てから自宅に帰るまでが原則業務時間となります。
【ここがポイント】
通常、労働者は自宅を出て事業場に向かい、業務終了後、自宅に戻ります。
この場合、自宅から事業場、事業場から自宅までの時間は、基本的には、通勤時間とされ労働時間とはなりません。(通勤時間については、労働者災害保険法で詳しく説明します)
しかし、自宅から会社に寄らず出張先に向かう場合、自宅を出たときから、その行動は使用者の業務命令の履行ということになります。
従って、出張の場合、通達により、自宅を出てから自宅へ帰るまでが業務遂行時間であると言えます。
となると、出張時に目的地に移動中であっても、万一災害に遭った場合は、原則として業務上の災害として使用者が災害補償義務を負うこととなり、労災保険の業務災害給付の対象となります。
ところで、出張時は、具体的に何時間労働し、何時間休憩したかということを算定するのが困難です。
このように、労働者が労働時間の全部又は一部について事業場外で業務に従事した場合において、労働時間を算定し難いときは、所定労働時間労働したものとみなす、と労働基準法38条の2で定められています。
従って、自宅を出る時刻が始業時刻の前、自宅に帰宅する時刻が終業時刻の後であっても、特別な事情等で明らかに所定労働時間を超えて労働したと判断できる場合を除いて、時間外割増賃金は発生せず、所定労働時間を労働したとみなされることとなります。
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