「退職届」と「退職願」
【説明】
「退職届」と「退職願」は性質上違いがあります。
【ここがポイント!】
「退職届」と「退職願」ですが、実はこれは性質上大きな違いがあります。
退職願は読んで字のごとく「退職を願い出る書類」であるのに対し、退職届は「退職を届け出る書類」です。
つまり、「退職願」は、例えば「○○年△△月××日に退職したいと思います。」といった文面となります。
これは、願書となりますので、退職の意思を撤回することが可能と考えられます。
それに対して「退職届」は、「○○年△△月××日に退職します」と退職への強固な意志を表明するものであり、退職の意思を撤回することはできないと考えられます。
「届」と「願」によってこのように性質上の違いがあります。
ところで、「退職願」の場合、退職の意思の撤回が可能となりますが、しかし、使用者側も欠員の補充の問題等もあるため、無制限に撤回できるわけではありません。
法律的には、使用者が退職を承諾した後は、退職の意思の撤回はできないとされています。
ここで問題となるのは、「使用者の退職の承諾」として、どの範囲まで対象となるかです。
社長に直接「退職願」を提出し、承諾されれば問題無いのですが、ある一定規模以上の会社で、「退職願」を提出した上司が、退職を承諾した場合に、それが使用者の承諾に該当するか否かで問題となる場合があります。
この場合、人事権を有しているか否かがポイントとなります。
この部分は、役職名にとらわれず個々の実態で判断されるので、一概に言えませんが、ただ、無用のトラブルを避けるという点から考えれば、「退職願」が提出されれば、なるべく早く社長等の承諾を得ることが重要であると言えます。
さらに、退職承諾書等を発行すると、承諾がより明確になって良いかと思います。
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