割増賃金 ~時間外割増賃金の計算①~

【説明】


法定労働時間を超えて労働させた場合には、法律で定められた額の割増賃金が、必要となります。

 


【ここがポイント!】


割増賃金が必要となるのは、法定労働時間を超えた場合となります。


従って、1日8時間の所定労働時間の場合で9時間労働させた場合には、1時間に対して割増賃金が必要となります。


また、1週間に45時間労働させた場合には、1週間の法定労働時間の40時間を超えた5時間に対して割増賃金が必要となってきます。


割増賃金が必要となるのは、あくまで法定労働時間を超えて労働させた場合ですので、所定労働時間が7時間で8時間労働させても割増賃金は、必要ありません。


ただし、当然延長労働した1時間分に対しの通常の賃金は支払う必要はあります。

 

 

では、実際に割増賃金を計算してみたいと思います。


労働基準法では、時間外労働に対する割増賃金は、通常の労働日の賃金の2割5分以上を支払うことを求めています。


ここでポイントとなるのは、割増賃金を計算する上での元となる賃金です。


通常、この賃金のことを割増基礎単価と呼びます。


今後、割増賃金を計算する上での単価を割増基礎単価と呼称していきます。

 

 

まず、時給制の場合ですが、時給制の場合には、時給額そのものが割増基礎単価となります。


ですから、時給1,000円の場合であれば、1時間時間外労働をした場合の割増賃金を計算する場合は、1,000円×1.25×1時間=1,250円となり、1,250円の割増賃金が必要となります。

 

 

日給制の場合には、1日の単価を所定労働時間で除したものが、割増基礎単価となります。


日給10,000円で1日の所定労働時間が、8時間場合には、10,000円÷8時間=1,250円が割増基礎単価となり、1時間時間外労働した場合には、1,250円×1.25×1時間=1,563円の割増賃金が、必要となります。(円未満は切上げ)

 

 

では、月給制の場合はどうでしょう?


月給制の場合は、まず1ヶ月の平均労働日数を求めます。


仮に、年間休日日数が105日とすると、年間労働日数は、365日-105日=260日となります。


従って、1ヶ月の平均労働日数は、260日÷12ヶ月=21.66日となります。これが1ヶ月の平均労働日数となります。

 

 

仮に、所定労働時間が8時とすると、1ヶ月の平均労働時間は、21.66日×8時間=173.28時間となり、この173.28時間が1ヶ月の平均労働時間となります。


月給の額を1ヶ月の平均労働時間で除すと、1時間当たり単価となり、この金額が割増基礎単価となります。

 

 

例えば、月給の額が、150,000円の場合、割増基礎単価は、150,000円÷173.28時間=866円なります。(円未満は切上げ)従って、1時間時間外労働し、1時間分の割増賃金を計算する場合は、866円×1.25×1時間=1,083円となります。(なお、小数点以下端数処理方法により、多少の誤差が出る場合があります。)


このように月給制の場合には、平均労働時間数という考え方を用いて計算されます。

 

 

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