年次有給休暇 ~継続勤務と8割以上の出勤について~
【説明】
有給休暇が付与されるには、雇入れ後6ヶ月間の継続勤務とその期間の全労働日の8割以上の出勤が必要です。
【ここがポイント!】
有給休暇の権利発生の要件として、雇入れ後6ヶ月の継続勤務が必要です。
この「継続勤務」ですが、労働契約の存続期間つまり在籍期間を言います。
つまり、会社に在籍している限り、休職期間、長期欠勤期間等も通算されます。
また、定年退職後再雇用している場合などは、退職時に一度雇用関係は終了していますが、実質的には労働関係が継続していると認められる場合には、勤務年数は通算されます。
次に全労働日の8割以上出勤ですが、ここで問題となるのは、全労働日です。
全労働日とは、労働契約上労働義務の課せられている日のことを言い、暦日数から所定休日を除いた日を言います。
例えば、雇入れ日が1月1日の場合、6ヶ月継続勤務の要件を満たすには、6月30日まで在籍していることが必要です。
また、1月から6月までの暦日数は、181日です。仮にこの間の所定休日数が、48日とすると、全労働日は、181日-48日=133日となります。
従って、有給休暇の権利発生には、この全労働日133日の8割以上出勤、つまり107日以上出勤していることが必要です。
ですから、133日-107日=26日となりますので、所定休日以外に、27日以上欠勤等している場合には、有給休暇の権利は、発生しないこととなります。
なお、所定休日に労働した場合は、全労働日にはなりません。
つまり、上記の例で、所定休日以外に27日欠勤したが、所定休日にの内、1日休日労働した場合には、出勤日数そのものは、107日となりますが、この場合には、有給休暇の権利は、発生しないこととなります。
また、使用者の責めの事由により休業させた日や、正当な同盟罷業等の争議行為により、労務の提供が全くされなかった日も、全労働日には含まれません。
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