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Q 就業規則に有給休暇の買取制度を定めることは違法ですか?

2019年1月8日

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【質問】

 

当社は、社員数十名の会社ですが、近年、業績が好調で嬉しい限りですが、その一方で、業務が多忙となり、社員がなかなか有給休暇が取れいない状態です。

 

社員の頑張りには感謝しているし、人手不足の現状もあって、無理に有給休暇を取られると困る面もあるので、有給休暇の買取制度を就業規則に定めるよう総務部長に指示しました。

 

ところが、総務部長から、「有給休暇の買取は法律で禁止されています。」と言われました。

 

有給休暇を買取ることは、社員にとっても有利な規定となると思うのですが、本当に、有給休暇の買取制度は、違法なのでしょうか?

 

【回答】

 

有給休暇の買取は、制度の趣旨を損ねるため原則禁止されています。

 

 

【解説】

 

有給休暇は、入社後6ヶ月を経過後、一定の条件を満たした場合に、10日間付与されます。

 

その後、1年ごとに新たな有給休暇が付与されていき、取得されなかった有給休暇は、一定期間後時効でその権利は、消滅してしまいます。

 

 

ところで、ご存知のように、我が国の有給休暇の取得率は、決して高くはありません。

 

そのため、多くの労働者が、有給休暇を取得できずにその権利を消滅させているのが実情です。(ちなみに、昨年、国が、その現状を改善するために、労働基準法を改正し、有給休暇の一定日数の取得が、義務化されました。)

 

 

ところで、ご質問の中にもあるように、時効で消滅してしまう有給休暇の権利を、買取することは労働者にとっては、有利なことと言えます。

 

通常、法律の基準を上回る規定を設けることは、問題となることはなく、特に労働基準法は、労働者にとっての最低限の労働条件を定めているため、労働条件を向上させることは、むしろ推奨されています。

 

 

では、何故、労働者にとって有利となる有給休暇の買取は禁止されているのでしょうか?

 

その理由は、制度の趣旨にあります。

 

有給休暇制度の趣旨は、業務から離れ、心身を休めてリフレッシュすることが制度の趣旨ですので、もし、有給休暇の買取を認めてしまえば、制度の趣旨が損なわれてしまうためです。


 

例えば、月給20万円の労働者が、ある月、有給休暇を5日取得した場合、その月の給与は、当然、20万円となります。

 

しかし、仮に5日間の有給休暇を買取し、1日の給与の額を1万円とした場合には、その月の給与は、25万円となります。

 

もちろん、5日間働かずに通常の給与をもらえてことを良し、と考える労働者も多いでしょうが、その反面、会社が、有給休暇の買取をしてくれれば、給与を多くもらえるわけですから、意図的に有給休暇を取得しない、と考える労働者も出てくるでしょう。

 

そうなってしまうと、有給休暇の本来の趣旨を損ねる形となってしまうため、有給休暇の買取は、原則禁止されているのです。

 

ちなみに、元々、有給休暇の買取は禁止されているので、労働者から有給休暇の買取請求があったとしても応じる必要はありません。

 

 

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【ここがポイント】


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ところで、これまでの説明で、有給休暇の買取は、「原則禁止」という表現を使ってきました。

 

というのは、実は、例外的に有給休暇の買取が認められることがあるのです。

 

それは、労働者が退職する場合に取得できない有給休暇を買取る場合です。


 

有給休暇は、退職すればその取得する権利が消滅してしまうので、仮に退職までに取得できない有給休暇を買取ったとしても、元々、その分の有給休暇については、労働者は取得できないわけですから、制度の趣旨を損ねることは無い、という考えによるものです。

 

ただし、買取を義務付けるものではなく、買取をしても「差し支えない」という考えですので、仮に、退職予定の労働者からの買取の請求があったとしても、必ずしも応じる必要はありません。


 

ところで、退職時の有給休暇の買取は、請求に応じた方が、メリットがある場合もあるのをご存知でしょうか?

 

退職時の有給休暇の買取については、こちらに詳しく解説してありますので、是非、お読み下さい。

 

>>意外!退職時は有給休暇を買取った方がメリットが多い・・・?

  (オフィスまつもとブログ 経営者応援.com)

 

 

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【関連記事】 >>Q 就業規則に慶弔休暇を定めないといけないのですか? 

 

       >>就業規則による労働トラブル解決事例集

 

 

 

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