Q 10人未満の会社にも就業規則は必要ですか?

【質問】

 

当社は、社員数7名の小さな会社です。お世話になっている社長から、就業規則を作った方が良い、と言われたのですが、法律では、就業規則を作らないといけないのは、社員が10人以上の会社と聞いています。

 

本当に、当社のような会社でも就業規則が必要なのでしょうか?

 

【回答】

 

社員数に関係なく就業規則の作成は必要です。

 

【解説】

 

確かに、労働基準法では、就業規則の作成義務を常時雇用する社員数が10人以上の事業場に限定しています。

 

なお、就業規則の作成義務は、会社単位ではなく事業場単位で判断されます。

 

詳しくはこちらをお読みください。

 

>>就業規則の届け出と意見書について

 

 

しかし、労働者を雇用していれば、一定のルールが必要となってきます。

 

もし、ルールがなければ、秩序ある職場環境を維持できなくなってしまいます。

 

 

例えば、法律では、慶弔時に社員に休暇を与える義務を会社には課していません。

 

しかし、現実には、社員本人が結婚した時や親族の葬儀の時などには、会社を休む必要があります。

 

そのため、会社は、休み自体は認めざる得ません。

 

 

しかし、そこに一定ルールがなければ、社員によって休む日数が異ったり、祝い金や見舞金の額に根拠がないものであったりしたら、社員は不公平感を感じてしまい、会社に対して不信感を抱きかねません。

 

 

また、休憩時間は、自由利用が法律で認められていますが、賭け事や公序良俗に反する行為は制限できます。

 

しかし、それもルールがなければ、社員に「そんな決まりは何処にも無い」と言われてしまえば、明確な反論が出来なくなってしまいます。

 

しかし、それらの行為を禁止る明確なルールを就業規則に規定しておけば、今度は、社員がそれを遵守する義務が生じます。

 

 

▼就業規則の見直しをご検討の方はこちら

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【ここがポイント】

 

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特に注意が必要なのは、解雇です。

 

解雇の裁判では、解雇の正当性が認められるには、社員を解雇できる根拠、つまり規定の存在が重要視されます。

 

社員数が、10人未満の会社であっても、長い事業経営を行っていれば、社員を解雇せざる得ない場合も当然考えられます。

 

裁判の判例を読むと、労働基準法で就業規則の作成義務が無い事業場であっても、特別扱いはしていません。

 

ですから、たとえ、社員が10人未満の会社であっても、就業規則がなければ、会社は、非常に不利な立場に立たされてしまいます。

 

 

就業規則をつくる目的は、労働トラブルを防止し、秩序ある職場環境を維持することにあります。

 

その必要性は、社員の人数に関係なく全ての会社あります。

 

ですから、たとえ、社員数が10人未満の会社であっても、しっかりとした就業規則を作成することをお勧めします。

 

 

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