雇用保険 ~失業等給付 受給資格について④~
【説明】
複数の事業所で雇用保険に加入していた場合、一定の条件を満たせば、通算することができます。
【ここがポイント!】
こちらのブログでお話ししていますが、労働者が基本手当を受給するには、原則として離職日以前2年間に一定期間以上の被保険者期間が必要で、さらに各月11日以上の賃金支払い基礎日数が必要となります。
現在勤務している事業所単独で基本手当の受給要件を満たせば問題ないのですが、現在勤務している事業所だけでは、必要な被保険者期間が足りない場合も当然起こり得ます。
そのような場合、一定の条件を満たせば、過去の被保険者日期間を通算することができます。
そして、過去の被保険者期間を通算して受給資格要件に必要な被保険者期間があれば、基本手当の受給資格を得ることができます。
一定の条件とは2つありまして、
① 雇用保険の資格を喪失した日から、次に雇用保険の被保険者になるまでの期間が1年以内であること
② 離職後、基本手当を受給していないこと
です。
以上の条件を満たしていれば過去の被保険者期間を通算できます。
逆に言えば、雇用保険の資格を喪失した日から、次に雇用保険の被保険者になるまでの期間が1年を超えてしまったり、基本手当を受給してしまうと、その時点でリセットされてしまい、それ以前の雇用保険の期間は通算できなくなってしまいます。
少し解り難いかと思いますので、1つ具体例を挙げてご説明したいと思います。
例えば、ある労働者が、現在勤務している会社Aに平成30年4月1日に雇用保険に加入し平成30年8月31日に本人都合で離職したとします。
この場合、A会社での被保険者期間は、5ヶ月ですので、基本手当の受給を得ることはできません。
しかし、A会社の前にB会社に勤務していてそこでも雇用保険に20年加入していたとします。
このB会社の被保険者期間を通算すれば、この労働者は、基本手当の受給資格を得ることができます。
問題となってくるのが、B会社の離職日です。
B会社の離職日が、A会社の入社日より溯って1年以内であれば、B会社の被保険者期間を通算することができます。
ただし、B会社の離職日が、A会社の入社日より溯って1年以内であってもB会社を離職した時に、基本手当を受給していると、B会社の被保険者期間を通算することができなくなってしまいます。
つまり、1回の加入期間がどんなに短くても、雇用保険の資格喪失の日から次の資格取得日までの期間が1年を超えず、基本手当を受給しなければ、全ての被保険者期間を通算することができます。
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