就業規則と労働基準法③ ~休憩時間について~
就業規則を作成す場合、労働基準法等の法律の制限を受ける項目がいくつかあります。
主なものとしては、労働時間、休憩、休日、有給休暇等が挙げられます。
これらの項目について就業規則に定める場合には、当然、法律の基準に沿った内容にする必要があります。
そのため、就業規則を適正なものとするには、これらの法律の規定について正しく理解する必要があります。
今回は、休憩時間について解説したいと思います。
休憩時間は、労働時間の長さによって決まります
休憩時間については、就業規則において必ず記載しなけばならない事項(絶対的必要記載事項)となります。
絶対的必要記載事項つきましては、こちらのブログをお読み下さい。
>>就業規則の根本!絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項とは?
ところで、休憩時間についても、労働基準法において定めがあるので、就業規則でも、法律の基準を満たした内容にしなければなりません。
まず、休憩時間の長さですが、これは労働時間の長さによります。
具体的には、労働時間が6時間以下でしたら、休憩時間は、必要ありません。
そして、労働時間が、6時間を超え8時間以下の場合、45分必要となり、
8時間を超える場合には、1時間休憩時間が必要となります。
つまり、1日8時間労働の場合は、本来は、休憩時間は45分で良いのです。
しかし、この場合の労働時間とは、実際に働いた労働時間のことを言うので、本来、決められている労働時間(所定労働時間と言います)が、8時間であっても、極端な話し、1分でも残業してしまうと、休憩時間が15分足りなくなってしまいます。
さらに、休憩時間は、労働基準法で、労働時間中に与える必要があるとされています。
つまり、仕事が終わってから、休憩時間を与えても法律の基準を満たしたことにはなりません。(つまり、法律違反の状態となってしまいます。)
ですから、極端な例ですが、1日の労働時間が8時間で、休憩時間を45分とした場合、1分残業するには、終業時刻から15分休憩してから1分間の残業する、という従業員にとっても負担がかかる、取扱いをしなければならなくなってしまいます。
ところで、休憩時間は、8時間以上労働する場合に1時間与える、とだけ定められいます。
これは、労働時間が何時間になっても、休憩は、1時間だけ与えれば良いこととなります。
つまり、最初から休憩時間を1時間として、従業員と雇用契約を結べば、休憩時間不足の管理をする必要が無くなります。
ですから、私もクライアントの方には、可能な限り休憩時間は、最初から1時間とするようにアドバイスをしています。
ただ、労働安全衛生法という法律で、会社は労働者の健康と安全を維持する責務があるので、労働時間が長時間に及んだ場合には、労働基準法の規定以上の休憩時間を適時与えるなどの措置を取る必要があります。
また、休憩時間は、必ずしもまとまって与える必要はなく、分割して与えることもできます。
例えば、1時間の休憩を与える場合に、昼休みに1時間与える必要はなく、午前5分、昼休みに45分、午後に10分という形で休憩を与えても、法律上、
全く問題ありません。
いずれにしても、休憩時間は、少し盲点になりやすいところがあるので、ご注意下さい。
▼就業規則の見直しをご検討の方はこちら
【関連記事】 >>Q フレックスタイム制度は本当にメリットが大きいですか?