就業規則と労働基準法⑩ ~労働者代表について~

就業規則を作成す場合、労働基準法等の法律の制限を受ける項目がいくつかあります。

 

主なものとしては、労働時間、休憩、休日、有給休暇等が挙げられます。

 

これらの項目について就業規則に定める場合には、当然、法律の基準に沿った内容にする必要があります。

 

そのため、就業規則を適正なものとするには、これらの法律の規定について正しく理解する必要があります。

 

今回は、労働者代表について解説してあります。

 

従業員代表の署名・捺印等は、日常業務において比較的必要になる場合が 多く、労務管理において重要なポイントです。

従業員代表の合理的な選び方が必要です

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就業規則を作成又は変更した場合には、従業員の過半数を代表するの者の意見を聞いた意見書を聞いた意見書を添付する必要があります。

 

ところで、就業規則の意見書に限らず、労働基準法では、多くの書面に従業員の過半数を代表する者の署名・捺印をもらうことを定めています。

 

では、従業員の代表は、どのように決めれば良いのでしょうか?

 

 

実は、従業員の代表を決める方法については、特段の定めはありません。

 

選挙でも多数決でも話し合いでも構いません。

 

重要なポイントは、その決め方に合理性があれば良いのです。

 

ですから、経営者の方が、任意に決めた従業員を代表とすることは、法律上、認められないということを正しくご理解いただければと思います。

 

 

ところで、従業員の代表を選ぶ場合、基本的に、管理者ではなく一般の従業員から選ぶのが基本となります。

 

わかりやすく言えば、役職の低い方が良いということとなります。

 

もちろん、少人数の会社で、何らかの役職が付いている従業員しかいない場合には、仕方がないのですが、そうでなければ、なるべく役職が低い者の中から選ぶことがポイントとなってきます。

 

 

従業員に代表の署名・捺印等は、日常業務において比較的必要になる場合が多く、労務管理において重要なポイントなのですが、意外に経営者の方の任意で決められてしまう場合が多いようです。

 

選挙や投票はなかなか大変ですので、何らかの会議の時でも、予め候補者を決めておいて、その者を信任する形を取るのも良いかと思います。

 

 

最後に少し余談ですが、今回お話しした労働者代表については、これまでは、正直行政官庁もあまり意識していなかった感は否めないと言えます。

 

しかし、近年、様々な労働トラブルがマスコミ等で報じられ、36協定や就業規則届等の労働者代表の選出が形骸化しているとの批判を受け、昨今、行政官庁では、労働者代表の選出方法に厳しい目を向けており、このようなリーフレット等も作成し、事業主に注意を喚起しています。

 

>>36協定の締結当事者となる労働者代表の適正な選出を!(厚生労働省)

 

 

ですから、労働者代表の適正な選出は、今後は労務管理の重要なポイントなってくると言えますのでご注意下さい。

 

 

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