各種規程作成のポイント② 退職金規程について -2-

社内規定を整備する場合、就業規則、賃金規程以外にも各種規程を作成する必要がある場合があります。

 

ここでは、各種規程を作成する場合の注意点を各規程ごとに解説していきたいと思います。

 

今回は、退職金の支給額とその積立方法との関係について解説してあります。

 

退職金制度を導入する場合には、支給額と積立方法を セットで考えることが重要となります。

 

支給額と積立方法を別に考えると、多額な積立不足が生じてしまう恐れがあります。

退職金の支給額と積立方法をセットで検討することが重要です

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退職金制度を導入する場合に、ポイントなる点は大きく2つあります。

 

それは、退職金の支給額とその支給する退職金の積立方法です。

 

実は、この2つの関係を理解していない経営者の方が結構多いのです。

 

どういうことかと言いますと、退職金制度を導入する場合には、支給額と積立方法をセットで考えることが重要なのです。

 

しかし、現実には、この2つを全く別々に考えてしまうケースが非常に多いのです。

 

退職金の支給額と積立方法を別々に考えてしまうことは、実は、非常に危険なことなのです。

 

 

もう少し具体的にお話ししていきたいと思います。

 

退職金は、元々法律で特別の定めがないため、経営者は、必ずしも退職金制度を規定する義務はありません。

 

従って、退職金制度を導入する場合でも、退職金の支給額は経営者が自由に決めることができます。

 

 

例えば、定年まで40年間、勤務した従業員に2,000万円の退職金を支給する規定を定めたとします。

 

ところで、退職金は、必ずしも予めその原資を積立てておく必要はなく、銀行からの融資等で支払うことができれば、それはそれで構いません。

 

 

しかし、ある程度、高額になってくると、多額な融資は、経営に大きな影響を及ぼしますので、何らかの積立をする会社が多いのが実情です。

 

ですから、もし、将来、2,000万円の退職金を支払うと想定した場合、それに見合った積立をする必要があります。

 

 

しかし、今度は、現実の問題として、将来、支払えるだけの額に対する積立金を現時点で捻出できるかどうかの問題が出てきます。

 

もし、それができないとなると、将来、支給する退職金の額を減らす必要が出てきます。

 

このように退職金制度を導入する場合には、退職金の支給額とその積立方法を同時に考えていく必要あります。

 

 

もし、別々に考えてしまって、退職金規程では支払い額が、2,000万円となっているのに、現実には、その半分しか積立てられていない、ということが起こってしまう可能性もあります。

 

しかし、たとえ、このような事態でも、一度、退職金制度を導入してしまえば、その規程に定められた支給額を経営者は従業員に支払う義務があります。

 

極端な話し、無理な借入をしてでも、支払う必要があるので、それこそ、退職金倒産の可能性も出てきてしまうのです。

 

このような事態を避けるためにも、退職金規程を作成する場合には、その支給額と積立方法を関連付けて検討する必要があります。

 

 

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